第一回定例道議会報告

2007.3.7
北海道議会
民主党・道民連合議員会
政 審 会 長  林  大 記


 
第1回定例道議会は、2月16日(金)に開会、19年度道予算案、札幌医大の地方独立行政法人化関連議案、2008年度サミットの北海道招致決議などを採択し、3月7日(水)に閉会した。

 わが会派は、代表格質問に林大記(札幌市南区)議員が立ち、知事の政治姿勢、新年度道予算、夕張市・産炭地域問題、北海道における自治のすがた、地域医療対策、障害者自立支援法への対処などについて質疑を行った。

 また、一般質問には、保村啓二(網走支庁)、勝部賢志(江別市)、蝦名清悦(札幌市北区)、三井あき子(旭川市)、三津丈夫(帯広市)の5議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。


1.主な審議経過について

2.採択された決議・意見書

3.一般質問の要旨

4.委員会における主な質疑

5.当面する課題と会派の対応


1.主な審議経過について

 知事選挙を目前に控えての定例会となったが、それにもかかわらず、再選出馬を表明している知事が再選公約が示さないで、議会審議に臨むという異例の状況の中での議会となった。公約が議会で論議されることを避けながら、全道各地で、リップサービス的な発言を行うという、道民のリーダーとしての姿勢を疑わせる議会対応となった。
 19年度道予算は、地方統一選挙を控えての骨格予算。一般会計2兆6654億円、特別会計5884億円の合計3兆2538億円。一般会計の規模は、18年度当初予算比3.4%減で、過去の骨格予算と比べると減少幅は小さく、選挙後の政策補正編成の難航すら予想させるような内容となった。
 18年度道補正予算は、端境期対策と、最終整理の2段階で提案された。この補正によって、18年度道予算の規模は、一般会計2兆8169億円、特別会計6886億円の合計3兆5055億円となった。開会初日に行われた端境期対策補正予算の先議質問には、木村峰行(旭川市)議員が立った。
 また、今定例会には、道州制特区推進法案に基づく、「北海道道州制特別区域計画案」が提案されたが、会派は、道州制実現に何ら寄与せず、道民や市町村の理解も何ら得られていないとして、同議案に反対した。
 さらに、道警本部の不正会計処理・裏金問題の論議の過程で、会派が議員提案していた「北海道行政公益通報条例」は、採決の結果、自民会派、公明会派等の反対で否決された。

2.採択された決議・意見書

は各会派共同提案、は政審発議、は委員会発議)

2008年主要国首脳会議(サミット)の北海道開催に関する決議
地域医療を担う医師等の確保を求める意見書
地球温暖化防止に向けた森林吸収源対策の着実な推進に関する意見書
酪農・畜産基本政策と畜産物価格等に関する意見書

3.一般質問の要旨

は質問者発言、は答弁者発言)

林 大記(札幌市南区)

(1)知事の政治姿勢について

国の政策、それを無批判に向け入れた道の政策によって、地域は大きな傷を負った。地域格差への認識は。

雇用や所得で全国との開き、道内での地域的な偏りがあり、市町村財政悪化や医師・看護師偏在等も顕在化していると認識する。

柳沢厚労相の「産む機械」発言への所見は。

発言は、不適切な表現だった。

深刻化する産婦人科・小児科医療への対策は。

地域事情を踏まえながら、限られた医療資源の有効活用のための集約化・重点化を具体的に検討している。

(2)新年度道予算について

財政立て直しプランでは、19年度の道税・地方交付税の減少を230億円減と見ていたが、財源確保の見通しは。

道税・地方譲与税合計180億円減、交付税150億円減で、減少幅は100億円程度広がる見通しだ。

道税見積もりは、全国見積もりを大幅に下回る。経済・雇用政策の失敗ではないか。

製造業のウェイトが低いなど産業構造に起因。産業構造転換、地域経済活性化を進めることが必要。

従来の骨格予算では全額計上していた、直轄事業負担金、義務的経費の計上を上半期分のみ計上と変えたのはなぜか。

一般財源総額が、プランより100億円下回るため、2定補正編成段階で、再度、年間収支を見通し措置することにした。

骨格だが規模は大きい。従来は選挙後、1500億円程度補正されてきた。補正後の規模見通しは。

義務的経費等の計上手法変更等で、従来の「肉付け予算」より規模は大きくなると見込むが、現時点で規模を示すのは難しい。

厳しい財政状況の中で、サミット道内開催の動きが出ている。経費、道の支出は。

開催地としての地元負担が、できるだけ生じないよう検討したい。

削減一辺倒で進められてきた財政立て直しプランが、新年度予算に与える影響は。

今後の肉付け編成でも、不急な事業を休廃止し、必要とされる事業でも内容を精査するなど、施策の重点化を一層図る。

(3)夕張市・産炭地域問題について

360億円規模の融資等が提案された。経緯を考えると、国、道、金融機関にも相応の関わりがあったのに、今回の手法は、道が一身に責任を負うものでは。

巨額の赤字を抱える中での財政再建のため、金利負担軽減と短期資金の確実な借り入れのため選択した手法。国にも支援を要請している。

高齢化比率40%、市職員・三セク職員等の生産年齢人口流出が現実のものになろうとしている同市の人口見込みや歳入見通しへの所見は。

国の社会保障・人口問題研究所の将来推計値をもとに歳入推計を行い、再建計画を策定したと承知する。

病院の診療所化によって中止される人工透析等や救急体制をどうする。

人口透析等の患者には近隣の医療機関受け入れへの連携・調整を進めている。救急搬送については、救急車2台運用の現行体制が維持される。

市職員が大量退職する。道の機能補完支援はどうなる。

管理職・有資格者の派遣、空知支庁による建築確認事務の実施等を検討している。

歌志内市、上砂川町など空知旧産炭地域への支援対策は。

策定中の「産業振興方針」に基づく産業振興策を、産炭地域振興の仕上げとなるよう進める。

(4)北海道の自治のすがたについて

地方分権が、国のリストラや地方切り捨てに利用されていると危惧がある。道州制特区推進計画でも、支庁制度改革や市町村合併推進が強調されているが。

道州制は、結果として、国・地方を通じた行政効率化にも資する。

第2次提案はどうするのか。

年内のできるだけ早い時期にまとめ、19年度中に国に提案したい。

16年度から4年間で設定された、道州制北海道モデル事業への評価は。

国との関係での執行時期の制約等の課題もあった。評価は、事業終了後に行う。

国の地方財政カットは、都道府県よりも市町村に大きく影響している。市町村財政にどう対処する。

公営企業、三セクを含め詳細に把握、道民に情報提供するとともに、財政健全化の必要な市町村には、徹底した行財政改革による早期健全化への助言をしっかり行う。

地域が疲弊している時に、国も道も地方から撤退するのは安易で間違った発想。住民や市町村とともに、地域活力を引き出すために支庁強化が必要ではないのか。

市町村体制が充実するまでの間においては、市町村行政をサポートしていく。所管区域変更、横断的組織体制構築、地域での行財政展開指針策定等に取り組む。

札幌市内3道税事務所の集約化は、徴収や滞納処分の実効に逆行しないか。

未収額4割を占める札幌での執行体制強化が目的。効果的な滞納整理を進められる。

自動車税納入期間直後の組織改編は、業務混乱も懸念される。道民への周知は。

広報PRや、納税通知書への文書同封等で、混乱を与えないよう努めたい。

知事部局の定数条例改正案は余裕のないもの。夕張支援、建築確認強化、今後の入札改善等の新たな行政需要に対応できるのか。

新たな行政需要も加えて見込んだものだ。

今後の条例運用は、柔軟、弾力的とすべきだ。

道政を取り巻く情勢変化を十分に見極め、適切に対応していく。

(5)経済・雇用対策について

1千億円の融資枠の「たんぽぽ資金」の利用は3割。中小企業のニーズに合っていないのではないか。

新設制度で浸透に時間を要した。年度末の資金需要期に向け利用は相当増えるはず。中小企業の利用可能制度の選択の幅が広がった。

雇用格差解決のため、国ですら再賃引き上げやパート労働者均等処遇を言わざるを得なくなっている。道内再賃引き上げをどうする。

審議会検討で様々な議論があったと承知。国会における法改正の動向等を見守る。

若年者雇用に効果のあったジョブカフェ事業への国の助成が大幅減になる。事業の維持拡大をどうする。

企業と若者のマッチング機会の創出等に取り組む。

季節労働者の特例一時金は、現行の50日の水準にオール北海道で取り組むべきだ。

特例一時金見直しを含む雇用保険法改正案が国会に提出されており、審議状況を見守る。

暫定二制度に変わる通年雇用促進支援事業の準備に積極的に取り組む必要がある。

事業実施要綱が来年度早々にも国から示される予定で、事業受け皿となる地域協議会設立、事業の円滑実施等に取り組む。

(6)一次産業振興について

農地・水・環境保全向上事業の道負担額が当初予算案で7億円計上されたが、当初での計上理由、道内事業量の把握の状況は。

昨年秋の事業量調査、実験事業検証に基づき、7月までの必要額を計上した。

財政状況の厳しい市町村では負担軽減要望も強い。事業量規模拡大に応じた、負担軽減にどう取り組む。

国に地方財政措置を要望してきたが、このほど、地方財政措置が講じられることになった。

日豪EPA交渉への危機感が全国的なものになっていない。どう行動するのか。

本格交渉に向けた重要局面を迎える。重要品目の関税除外が全国的なものになるよう、国や他都府県に積極的に働きかけるなどの取り組みを強めたい。

(7)地域医療対策について

医師確保の実効性があがっていない。研修医受入体制の抜本的整備の必要がある。

道内研修医は300人台で推移しているが、3医育大受入が7割から4割に減少、都市部病院での研修医が増加している。道内臨床研修病院間の連携研修や、地域保健・医療研修プログラム充実による、へき地病院・診療所での研修を推進したい。

道厚生連の札幌厚生北野病院が、地域医療研修の目的を果たせず閉鎖されるが。

16年度の研修制度変更で、研修希望医の応募がなくなった等で廃止に至った。

地域医療機関の再編は、身近な医療を奪う危険をはらむ。地域や住民との合意、納得を前提に慎重に対処すべき課題だ。

道医療対策協議会で議論している。この議論を踏まえ、市町村や、全道21の地域保健医療福祉推進協議会等の意見を聞きながら検討を進めたい。

(8)障害者自立支援法への対応について

支援措置が講じられたこと自体が、欠陥法である証拠。法自体を見直す必要がある。

改革が抜本的なものだったために、法施行にあたり様々な意見があった。特別対策事業は、利用者負担や事業者報酬について道から国への要望に沿ったもので、事業の適切な実施で、法の円滑な推進に努めたい。

知事は、就労支援を進めるとしてきたが。

道民全体で支援する機運を高めるための広報活動等に取り組んでいる。

(9)ダム負担金について

二風谷・平取ダムの事業費の4割、393億円の大幅増、工期大幅延長の変更案が示されたが、妥当性への所見を伺う。

15年夏の台風での計画規模を大幅に上回る洪水発生等による変更で、地域住民の安全な生活のため必要。総事業費圧縮等の意見を付して同意したい。

(10)平和問題について

米軍戦闘機の千歳への移転訓練での、千歳、苫小牧両市と札幌防衛施設局間の協定は、騒音や事故の防止の具体性を欠く内容。道も関与すべきだ。

両市がそれぞれ単独で協定締結したいとの意向だった。協定内容の順守は、訓練計画が明らかになった段階で、防衛施設局に要請したい。

沖縄の負担軽減ではなく、負担・危険の全国分散に変質している。訓練の規模縮小、早期中止を求めるべきだ。

両市と連携して、協定の順守、訓練情報の早期提示、地元意向を踏まえた地域振興策実施を要請している。

石狩湾新港に米イージス艦が寄港した。港湾管理者は知事。なぜ入港を認めたのか。

核搭載の有無、船舶入出港の安全、港湾業務への影響を検討し、入港を認めた。

(11)教育課題について

教育再生会議が、教育委員会への国の関与強化を提言しているが。

地域が当事者意識と責任を持ち、地域実情に応じて創意工夫や主体性を発揮できる地方分権時代にふさわしい教育の仕組みを作ることが大切。(知事)

各地域が当事者意識と責任を持ち教育に取り組む地方分権の視点に立って議論すべき。(教育長)

人口5万人以下の市町村の教育委員会の統廃合も提言されている。

主体的判断での教育事務広域化は意義あることと考えるが、全国一律基準ではなく、地域実情等を踏まえた、市町村の主体的判断で対応すべき課題。

いじめ問題への対応は、問題行動を起こす児童生徒の排除ですべて解決するものではない。児童生徒や保護者と向かい合うための教育スタッフ充実が必要だ。

生命や人権の大切さの指導、児童生徒の不安や悩みを受け止め対応するための教育相談体制の整備・充実等が大切。

「新たな高校教育の指針」の具体化、道立高校の再編検討に向けた地域での協議の状況は。

昨年夏以降、全道19通学区域ごとに、2度の地域別懇談会を開催した。地元高校をなくさないでほしいという根強い意見、長期的な再編計画の明示、地域実情に配慮した弾力的実施等の意見があった。

知的障害高等養護学校では、都市部周辺での入学希望が増加しているが。

今後とも、公立特殊諸学校配置計画を検討していく。高等養護学校を設置している札幌市とも情報交換を密にしていきたい。

<再質問>

(1)新年度予算について

道税伸び悩みの答弁は、経済・雇用施策の失敗を認めたもの。経済活性化の検証は。

全国との開きはあるが、就任当時と比べ、鉄鋼業や電気・輸送機械工業の生産指数、住宅着工戸数、有効求人倍率等が改善するなど、活性化の芽は着実に生まれている。

知事は、地域で政策補正につながるような事業をリップサービスしている。補正規模はどうなるのかと見込んでいるのか。

規模を示すのは難しい。行財政改革の着実な実行を基本に、選択と集中の視点で事業見直しに取り組む。

財政立て直しプランに沿えば、道民や市町村へのダメージは広がるばかり。財政再建のあり方を根本的に精査すべき。

肉付け予算を踏まえて、中長期収支試算のローリングを行うことにしており、必要に応じて、対策の見直しや追加等を検討する。

(2)夕張市・産炭地域問題について

夕張市への道の支援策については、道に責任があったから支援するのだと考える。同じように、国にも責任があったから道は、国に支援を求めているのだとも考える。国の責任を明確にさせるべきだ。

再建は夕張市自らが行うもの。道は助言・協力する立場で、必要な支援を行う。この道の取り組みについて、財政再建に協力する立場である国に支援を要請している。

道が赤字額全額を貸し付ける判断理由を再度聞く。

現行の地方財政再建制度の下で、計画的・安定的な財政再建のためには、金利負担軽減と短期資金の確実な借り入れが不可欠であり、それを支援するもの。

地域や住民生活維持のための道の中長期的な機能補完をどうする。

市民生活や地域経済の状況を踏まえ、財政再建、地域再生に助言・協力していく。

中高年者の地域での再就職支援をどうする。

国の夕張市・近隣3町の雇用維持等地域指定の対策等を通じて支援していく。

産業振興方策について、産炭地域振興の仕上げと答弁したが、産炭地域総合発展基金の後処理対策の話ではない。苦闘する地域の維持・再生をどうするのか。

地域資源の有効活用としての食・観光分野での産業振興、企業誘致によるものづくり産業等の育成、産業間・産学官連携の強化での振興に努める。

(3)北海道の自治のすがたについて

道州制特区の二次提案に向けて、知事は、大胆に踏み込むとは語っているが、提案の方向については、考えの一端も示されていない。]

自立的発展に向けた豊かな資源を活用した地域活性化や、地域医療確保など、地域の抱える課題を解決するような提案について、道民から意見を伺い、オープンな議論を経て、まとめていきたい。

市町村財政についての答弁は、徹底した行財政改革をさせるという、冷たいもの。危機の根幹である、国の都合での地方財政の押し付けにどう対処するのか。

これまでも、国に地方交付税確保等を要請してきたし、今後も必要な制度改善を国に求めていきたい。
市町村行政をサポートするとしながら、地域の意向を無視した支庁等統廃合の姿勢ばかりが見え隠れしている。

今後とも議会議論、市町村や道民の意見を聞きながら検討を進める。

(4)経済・雇用対策について

たんぽぽ資金は、企業ニーズにあわなかったから伸び悩んでいるのではないのか。

周知のための金融機関営業店舗訪問等で、制度が浸透し利用が活発化してきた。

最低賃金について、生活保護との整合性への所見は。

改正案に生活保護に係る施策との整合性への配慮が盛られている。最賃制度がセーフティネットとして十分に機能すべきと考えている。

ジョブカフェは国費予算が大幅に減る中で、機能の維持拡大をどう図るのか。

管理経費圧縮等に努めながら、事業の根幹であるカウンセリング・セミナーや地方拠点とのネットワーク等の機能を維持、新たに合同企業説明会の地方開催等で機能充実に努める。

(5)農地・水・環境保全対策について

市町村も農業者も道の姿勢に不安を抱いている。再度の事業量調査中だが、事業量が増加しても財政措置するという明確な姿勢を示すべきだ。

地域で活動計画づくりが進められており、地域要望について内容を確認し、適切に対処したい。

事業が全国画一で北海道の実態に合わないとの声も強い。本道に合致した制度運営とすべきだ。

一定条件のもとでの、地域裁量が認められている。本道の実態に応じたガイドラインを作成、制度の円滑かつ効果的な推進を図ることにしている。

(6)地域医療対策について

“限られた医療資源”との姿勢は、あまりに受け身、消極的。当面する医師、看護師確保への対処策は。

地域勤務を義務づける医育大学での地域枠設定、奨学金制度創設等を検討していく。国には、自治体病院への財政措置充実、診療報酬の適切な見直し、医師のへき地勤務の従事経験への義務付けなどを引き続き要望する。

地域医療の集約化、広域化は、混乱を招いた市町村合併以上に地域の不安を引き起こしかねないもの。ていねいで慎重な論議が必要だ。道は、一体いつまでに結論を出そうとしているのか。

年度内に基本的な考え方を取りまとめ、検討を進めていきたい。

(7)障害者自立支援法への対応について

知事の答弁は、法の方向性が正しいとの認識に聞こえる。困惑、批判の声があまりに大きく、国も不備を認めたから補正措置せざるを得なくなった現実を理解していない。法自体の見直しを求めるべきだ。

法施行に際しての様々な意見を踏まえ国に要望、これに沿った特別対策が講じられた。特別対策事業を適切に実施し、法の円滑推進に努める。

この法は地域づくりにも大きな影響がある。医療機関の確保すらままならない中で、障がいのある人々を地域で受けいれるという法の理念実現に向け、どう支援する。

市町村が作成する障害福祉計画の達成に向け、「北海道障がい福祉計画」を作成、市町村での相談支援体制立ち上げ支援等に取り組む。

(8)ダム負担金について

二風谷・平取ダムの基本計画変更には、厳しい内容の意見を付して同意するとのことだが、今後のコスト圧縮を求めるのなら、今回の増額取りやめも含む事業費精査を国に求めるべきではないか。

変更内容や事業費積算根拠を国から詳細に聞き取り、十分に精査し妥当と判断した。

(9)平和問題について

千歳への訓練移転に伴う協定は、訓練内容の制限等が本当に担保できるかが課題。道の関わりは、地域振興ではなく、訓練の受入減少、中止に重点を置くべきだ。

協定には、地域住民の不安や懸念を解消してほしいという両市の思いが込められていると承知する。訓練移転が過重とならないよう地元と連携し、国に求めていく。また、渉外知事会を通じて、米軍基地の整理、縮小をはじめとする米軍訓練に関する課題解決を要請していく。

知事が米軍艦船の入港許可をしたことは、今後に大きく影響する判断。軍港化は認めないという姿勢を明示すべき。また、核搭載の有無は、米国に直接照会し回答がなければ寄港を認めるべきでない。

今回の寄港は、親善・友好を目的にしたものと承知する。核搭載の有無は、管理組合が在札米国領事館に照会、安保条約に基づき外務省に照会するよう回答された。

(10)いじめ問題について

全道児童・生徒アンケートの結果公表は、児童生徒の抱える不安や悩み、いじめやいじめ的行動が何に起因するかの分析を欠き、指導内容が具体化されていない。現場実態を踏まえた、具体的対策を講じるべきだ。

先の公表は、今もいじめられているとの項目を先行点検、公表した。今後詳細な結果や指導ポイントを随時公表していく中で、具体的な対応策を検討、示したい。

 

<指摘>

(1)北海道の自治のすがたについて

道州制特区計画は、やせ細った道庁、やせ細った市町村を作るだけの行財政改革ばかりが強調され、道州制実現への先行ランナーだという誇りがない。そうした姿勢だから、市町村は道の事務権限移譲に対処せず、道民は道州制論議に参加してくれない。広大な北海道に張り巡らされた支庁をはじめとする機能を活性化させ、北海道の自治のあり方の構築、地域の維持強化に取り組むべきだ。

(2)道行政の見直しについて

札幌市内道税事務所の縮減は容易に納得しがたい。業務の混乱、サービスの停滞回避に努めよ。また、職員定数については、新規行政需要への観点が極めて薄い。新規施策対応、道民サービス確保への柔軟、弾力的な条例運用とすべき。

(3)季節労働者対策について

特例一時金については、現行50日水準維持を、オール北海道で求めるべき。通年雇用促進支援事業は、道の主体的取り組みを提示しながら実行ある事業構築を急ぐべき。

(4)日豪EPA交渉について

本格交渉に向け楽観できる状況ではない。農業や一次産業を重要基盤と位置づける北海道にとって、決して譲ることのできない課題として、日豪両政府と対峙せよ。

(5)教育再生会議の提言について

提言について、知事も教育長も、同会議での、集権、強制、効率といった方向での論議のあり方への認識は示さなかった。こうした発想は、教育にはそぐわないものということを明確に意思表明していくべきだ。

(6)特別支援教育について

自立支援法の理念にも関連して、居住地域や卒業後の就労を見据えた都市部周辺での通学希望が強まると想定される。特別支援教育のあり方の見直しを早急に検討すべきだ。


保村 啓二(網走支庁)

(1)市町村の財政基盤の安定について

厳しい財政状況におかれた市町村にどう対処しているのか。

公営企業、三セクを含めた市町村の財政状況を詳細に把握、道民に情報提供するとともに、自主的な財政健全化計画策定の必要な市町村には、速やかな策定を促し、徹底した行財政改革による早期健全化への必要な助言をしっかり行う。

さらに財政状況が悪化した市町村が出た場合の道の支援は。

早期健全化の取り組みが大切だが、努力の上で、再生段階に至る市町村が発生の場合は、財政再建が円滑に進むよう、必要な助言・協力をしていく。

地域活性化のために道の総合的な支援は欠かせない。活性化をどう支援する。

地域の課題解決に向けた先導的・モデル的事業の推進、地域政策総合補助金や国・道の関連施策による支援等を通じ、地域活性化の努力が実を結ぶよう応援したい。

(2)地域医療対策について

医育大学の入学定員増にどう対応しているのか。

国に、地域の医師が著しく不足している本道を対象とする基準緩和を要望している。

医育大学の地域枠導入や地域勤務前提の奨学金制度を早急に具体化させるべきだ。

道医療対策協議会に置いた「地域医療を担う医師養成検討分科会」での基本的考え方を年度内にまとめ、市長会や町村会等と協議、早期に成案を得たい。

ドクターヘリ事業は、医療過疎とされる地域にこそ必要な事業。今後の展開は。

現在の道央圏での事業検証・評価を進め、国の動向等も把握し、今後の航空医療体制のあり方を検討する。

冬期使用可能なヘリポートの状況等、運航に関する全道的な基礎調査を実施すべき。

運航活動等を十分検証した上で、全道の救命救急センター等の医療機能やヘリポートの整備状況、国の動向等について把握していく。

(3)農地政策と農業担い手対策について

わが国の農地政策に対する評価は。

本道が、わが国における食料供給基地と言われるまでに発展したのは、これまでの安定した農地制度の上に構築されたものと考えている。

農業経営における農地の意義、位置づけをどうとらえる。

経営基盤として有効に活用することが重要。農地を認定農業者等の担い手に円滑に集積することが、本道のみならず国内農業の発展・振興の上で重要。

大規模農業だけでなく、家族経営を基本とした農業経営を大切にすべき。家族経営を支えるためにコントラクター(農作業受託組織)の育成が必要と考えるが。

役割は極めて重要と考え、育成に努めてきた。17年度からは、稲作地帯におけるコントラクターの育成・確保を図るための地域での啓発に取り組んでいる。

農水省の「農地政策に関する有識者会議」に、本道農業の現状、今後の発展のための意見をどう反映させていく。

担い手への面的集積促進等の農地政策の再構築を検討するとされている。一戸あたりの農地所有面積の大きさ、売買比率の高さ等、本道の特有の条件についても、制度に反映されるようにしたい。

国への要望だけでなく、道が全国に先駆けて実施すべきものは実施していくとの姿勢を示すべきだ。

担い手育成や農地の利用集積について、道として具体的目標を掲げるなど、関係機関・団体とともに、積極的に取り組みたい。

(4)通年観光の振興について

北海道観光をリーディング産業にするためには冬季の観光客誘致が欠かせないが。

本年度は、「冬の北海道でしてみたいこと」を公募、ツアーコースを組み立てるなど、新たな北海道の冬の魅力発掘に努めている。

天候条件や一時のブームに流されない通年型、滞在型観光の推進が必要だ。

道東の支庁等で、閑散期や悪天候時の観光メニュー開発や地域全体での受入体制の整備等、通年かつ体験・滞在型の観光地づくりを進めている。

知床の世界自然遺産効果も薄れてきている。今後の観光振興にどう対処するのか。

北海道が優位性を持つ自然景観や食、花、温泉等、四季折々の魅力を国内外にきめ細かく発信し、地域連携による多彩な滞在メニューや観光コースづくりが必要。

(5)防災対策について

昨年11月、今年1月に千島沖での地震に伴う津波警報が発令されたが、避難率が低かった。津波対策をどうする。

市町村に対し、津波による地域の危険度の把握、住民への周知徹底、きめ細かい伝達体制、日頃からの住民への防災教育の徹底等を通知した。

大規模災害発生時の、近隣市町村、民間事業者との連携・協力をどう進めるのか。

自治体間の相互応援協定、民間事業者との協力協定等を締結してきている。地域防災力強化、関係者の防災意識の高揚等の効果も期待され、今後も整備を図っていく。

 

勝部 賢志(江別市)

(1)災害時における高齢者、障がい者等への対応について

道内市町村の災害時要援護者避難支援計画の策定の促進への取り組みは。

昨年7月の消防庁調査では、策定は5自治体。要援護者情報の共有等の難しさはあるが、防災部局と福祉部局の連携等での計画策定を市町村に働きかけていきたい。

災害時の安否確認等の福祉救援ボランティア活動との連携を、どう進めるのか。

役割分担等の連絡・調整体制の整備、活動のための知識・技能向上の支援が重要。災害時の地域関係団体ネットワークづくりなどを支援している。

要援護者を対象とする、防災訓練等を定期的に実施するべきだ。

北海道防災総合訓練への要援護者の参加、支庁で関係者参加の災害図上訓練等を実施している。地域での共助の意識づくり促進に努めたい。

(2)地球温暖化とバイオエネルギーの活用について

北海道地球温暖化防止計画の効果、実績は。

道民の理解は定着してきていると考えるが、15年度の温室効果ガス排出量は、基準年度である2年度に比べ、14.2%増となっている。

温室効果ガスの9割を占める二酸化炭素削減への道民意識改革の取り組みは。

省エネ・新エネの促進、オフィスや家庭での冷暖房見直し等に取り組んできた。

バイオ燃料原料への、くず米利用への所見は。

道内JAグループの十勝管内清水町で検討するプラントでは、規格外麦、政府支援対象とならないてん菜のほか、くず米利用も検討されている。くず米の量、価格は作柄等で大きく変動するほか、既存用途との調整等の検討課題も多い。

バイオ燃料実用化促進のためには、価格が壁になる。優遇税制措置が必要だ。

導入促進のための優遇税制措置の創設を国に要望している。

バイオ燃料普及に道としても積極的に取り組むべきだ。

輸送用エコ燃料に関する庁内プロジェクトチームや、産学官で構成する「道バイオマスネットワーク会議」等で幅広い観点から検討を進めている。

(3)いじめ対策について

いじめに関する児童生徒アンケート調査結果をどう受け止めているのか。

1月下旬に、「今もいじめられている」と回答した児童生徒数を公表した。約2万人が、そう回答したことを重く受け止めている。

どのようなことを明らかにし、どのような対策を導き出そうとした目的の調査か。

実態を把握し、例えば児童生徒と教職員の認識のかい離を埋める対応策の検討等を目的に実施した。分析調査を踏まえ、具体的な対応策を検討していく。

教育再生会議の、いじめに関する提言は、排除の論理や厳罰主義が色濃く出ている。

粘り強く、きめ細かい指導が前提。それでも事態好転がなければ、出席停止等の指導はあり得るが、その際には教育的措置も十分配慮する必要がある。

掛け声だけでは一歩も進まない。少人数学級の積極推進や、カウンセリングや相談活動充実等が新年度予算案でも見えてこない。具体的な取り組み策は。

新年度予算案では、相談電話窓口の24時間化の継続やスクールカウンセラー配置拡充を計上。調査分析を急ぎ、具体的対応策を検討する。

(4)全国学力・学習状況調査について

いま子どもたちに求められている学力は単に詰め込まれた知識ではない。全児童生徒対象の調査は、知識偏重、序列化に拍車をかける。問題点をどう捉えているのか。

学力・学習状況の把握分析は、施策充実や学習指導改善を図る上で意義がある。

文科省は、国レベル以外は結果公表しないとしながら、各学校の公表は学校にゆだねるとしている。これでは序列化は避けられないと考えるが。

文科省は、自校結果公表の際は、教育活動の取り組み、結果を踏まえた今後の改善方向を併せて示す等としており、市町村教委等にこうした趣旨の徹底を図る。

そもそも依頼調査。参加は、市町村教委の主体的判断が尊重されるべきと考えるが。

参加は市町村教委の判断によるが、道内全180市町村が参加を決めている。

(5)情報通信ネットワークの活用について

ほっかいどうスクールネットを活用した遠隔授業の課題と見通しは。

2月に行った実験では、教員と生徒のコミュニケーションのあり方、映像や音声状態等、ハード・ソフト両面で改善を求める意見があった。

有朋高校等、通信制教育におけるスクールネットの活用は。

17年度からの有朋高校等での基礎研究結果を今年度中にまとめる。今後は、自学自習用のデジタル教材作成、スクールネットを用いた学習指導の試行等に取り組む。

(6)夕張高等養護学校における医療機能の確保について

医療的ケアや常時介護を必要とする生徒が通っている。夕張市立病院の診療所化に伴う、医療機能の確保への対処は。

同病院への業務委託は困難になった。医療機関等との連携体制を再構築する中で、看護師確保に努め、安全に医療的ケアを実施できるよう取り組む。

 

<再質問>

(1)いじめ対策について

いじめは悪いことだとわかっていても、そうした行動を取ってしまう原因を取り除いていかねば、いじめは根絶できない。出席停止や厳罰主義への見解を再度聞く。

排除だけでは根本解決にならないと考えるが、事態が好転せず、他の児童生徒の教育の妨げとなる場合は、教育的措置に配慮しつつ出席停止等の指導もあり得る。

本気でいじめの根絶を考えるなら、教育条件整備こそ進めねばならない。

少人数学級の対象学年拡大は、国の教職員定数改善計画の策定見送りや、道の財政状況から難しい。

(2)全国学力・学習状況調査について

調査の問題点について、どう捉えているのか。

例えば、調査結果の公表の仕方によっては、過度の競争や序列化につながる懸念があることから、国が示した配慮事項を十分踏まえ、適切に対応する必要がある。

 

蝦名 清悦(札幌市北区)

(1)格差問題について

道民生活、北海道というコミュニティをどうしようかの理念が分からないまま、高橋道政が終わろうとしている。知事は、どのような地域社会を目指そうとしたのか。

「包容力」に満ちた地域社会を目指し、「住んでいることを誇りに思える、夢のある新生北海道」の実現を目指して取り組んできた。

小泉・安倍政権の下、いのちや暮らし、労働、教育などあらゆる分野で格差が拡大、人権の切り捨てが広がったと考えるが。

市場原理に基づく競争の動きが強まる中、生活保護世帯増加や非正規雇用者増大といった課題も顕在化してきた。(知事)

就学援助受給者が増加傾向にあり、子どもたちの教育環境にもいろいろな影響を与えている。教育機会の保障に努めていく必要がある。(教育長)

医療・福祉、雇用、教育に関わる国の施策が本道にもたらした地域間格差の認識は。

雇用、所得、生活保護率、就学援助受給といった面で全国との間で開きがある。市町村財政悪化や、医師・看護師偏在といった重要な課題も顕在化している。

三浦朱門前教育審議会長の、「できん者はできんままで結構。できる者がやがて国を引っ張っていく」との発言、江崎玲於奈教育改革国民会議の、「いずれは就学時に遺伝子を検査し、それぞれの子どもの遺伝情報に合った教育をしていく」等の格差を是認する発言への所見は。

教育のあり方、科学技術の現況についての個人的な見解と受け止めている。子どもたち一人ひとりの能力を最大限伸ばすことのできる、生涯にわたり、あらゆる機会にあらゆる場所で学習できる社会となることが望ましい。(知事)

子どもたちの多様な教育ニーズに応えるよう、最大限努力することが、教育に携わる者としての使命であり責務である。(教育長)

柳沢厚労相の「産む機械」発言は、人権を無視した発言ではないか。

少子高齢化問題等を所管する大臣の発言としては、表現に適切さを欠いていた。

高橋道政も国の政治と同一歩調を取ってきた。地域実情、生活者の暮らしの意識に欠けた冷たい道政だった。道民生活切り捨てとの批判への知事の自己評価は。

道民に一定の痛みや負担を求めながら、持続可能な行財政構造確立に努めてきた。経済活性化や社会全体で地域を支える輪の広がりといった、芽が生まれてきている。

(2)障がい児・者の自立にかかわる課題について

高等養護学校卒業生の進路の状況は。

17年度の職業学科設置高等養護学校13校の卒業者450人の進路は、企業等就労116人、授産施設等入所通所292人、大学・訓練機関等進学21人など。企業就労の内訳は、食品加工等の製造業約40%、卸小売業とサービス業各25%。

家族居住地域で就労することが望ましい。就労支援をどう充実していくのか。

居住地域での就労希望が、かなえられるよう支援に努めている。学校進路指導担当者と雇用実績のある企業関係者の意見交換の機会を設けるなど取り組んでいく。

障害者自立支援法の柱の一つである所得確保のための就労への支援策は。

障がい福祉計画での数値目標の設定、国の特別対策の活用等に取り組む。

職場適応訓練制度は、就職促進に有効と考えるが。

受託先となるには、訓練のための設備や指導職員の確保、訓練終了後の雇用見込みが要件となっており、経済団体等に、それらの要件を含め制度の理解を求めていく。

道は、昨年秋から、知的障がいや精神障がいの方々を職場実習生、臨時職員として受け入れているが、その拡充、市町村への拡大をどう進めるのか。

障がい特性への配慮も必要であることから、道や市町村、企業のノウハウをまとめ、就労促進に向けた情報提供等に努める。

障がい者の雇用の促進のためには、教育、福祉、労働等の関係機関が一体になって進めていく必要がある。

昨年5月に、関係機関による道雇用支援合同会議を設置した。今後、就労移行支援事業等の基盤整備、障害者就業・生活支援センターの指定拡大などを図っていく。

<再質問>

(1)格差問題について

課題が顕在化したとの答弁だが、政府、道の政策運営が格差を広げ、新たな格差を生み出していると考えるが。

国の構造改革が進展する中で、特にここ数年の間で、失業率や生活保護率等について全国との差が広がってきた。

高橋道政は、道民の痛みにどう向き合ってきたのか、知事の自己評価は。

財政状況が厳しい中にあっても、経済活性化や雇用創出、地域ぐるみでの子育て支援、障がい者や高齢者の地域生活を支える取り組みを進めてきた。

柳沢発言、三浦発言、江崎発言は、いずれも人権を無視、軽視する発言だ。知事の人権意識が問われる。

厚労相発言は、人権といった観点も含め適切を欠いたものと考える。三浦、江崎発言は、教育に関する個人的な見解を述べたもの。

<指摘>

(1)知事の政治姿勢について

人権意識に欠けた政治では、人としての尊厳を保障する施策が実現するはずがない。知事は、生活者の痛み、不安、悩みに向き合えない政治家だった。

知事は、北海道民が築き上げてきたものを、いとも簡単に財政効率論で切り捨ててきた。

「選択と集中」の選択とは、まずは道民の生活をどう守るかが問われたはずだが、知事にはそれが欠けていた。

 

三井 あき子(旭川市)

(1)地域社会における安全確保について

本道の景気は未だ回復のメドすら立たない。経済状況が犯罪発生に与える影響は。

刑法被疑者に占める無職者の割合は、昨年は26.5%。過去10年間は24%台から28%台の間を細かく上下し、相関関係は、にわかに断じ難い。

子どもを道連れにした無理心中等の痛ましい事件の発生の現状は。

親による子どもの殺害、または未遂事件は8件あり、うち5件が、いわゆる無理心中。過去10年間では、未遂を含め年間3〜9件発生している。道警への児童虐待等の相談も昨年は50件受けており、惨劇の未然防止に最善を尽くしたい。

道民の不安を解消するための警察の体制をどうするのか。

19年度は、機動捜査隊増強、犯罪捜査支援室新設、DNA型鑑定の体制増強を行う。また、経験豊富な退職警察官を交番相談員や警察安全相談員として配置、空き交番解消や相談体制充実に努める。

簡易型自動車ナンバー自動読取システムは犯罪捜査に有効と考えるが認識は。

重要犯罪の70%以上が集中する道内6大都市圏を中心に整備を進めたい。

子どもの安全を確保するための取り組みの強化はどう進んでいるのか。

今年度、緊急対策として「地域見守り活動」事業を創設した。(知事)

昨年度6市町村、今年度54市町村に拡充されてきたスクールガード・リーダーを19年度は全市町村に配置したい。(教育長)

4月から、声かけ事案や不審者情報の携帯電話での情報配信を行う。(道警本部長)

学校現場での非行防止に関する指導への取り組みは。

警察官と教員が協力した非行防止教室の実施などを進める。

地域防犯ネットワークの形成を、どう支援するのか。

各種情報提供や人材育成を、引き続き進めていく。

犯罪のない安全で安心な地域づくり条例で定められた、地域レベル推進体制整備は。

道内市町村のうち6割の111市町村で整備。体制整備とともに、地域ぐるみの取り組みが活発に行われるよう支援していく。

(2)障がい者の自立支援について

北海道障がい福祉計画案がまとめられ、23年度末の地域生活移行の目標値が設定されたが、地域でのサービス基盤は確保できるのか。

市町村の障がい福祉計画を、従事者養成や広域観点からの調整、補正措置された特別対策事業の活用等で支援していきたい。

市町村での地域活動支援センターの整備状況はどうなっているか。

2月1日現在、138市町村で実施。残る42市町村では、4月1日に12市町村で設置、7町村は広域実施で対応の方針。

障がい程度区分への不安の声が根強い。国に制度見直しを求めるべきだ。

市町村審査会の二次判定で、障がい特性を踏まえた判定が行われていると考えるが、市町村ごとにバラツキが生じるおそれもあることから、認定の妥当性・客観性が確保されるよう、一次判定の精度向上等を引き続き要望していく。

精神障がいのある人達の地域生活移行に、どう取り組むのか。

道内14地域に、精神障害者地域生活支援センターを設置、精神科救急受入体制充実や地域住民の理解促進等に取り組んでいく。

地域で安心して生活していくためには、相談、アドバイスの機能が地域で確保される必要がある。

障害者自立支援法で、相談支援事業の実施主体が市町村に一元化された。しかし、ノウハウを身につけた職員の配置、地域自立支援協議会設置等はまだ十分ではない。

 

三津 丈夫(帯広市)

(1)地方財政問題について

いわゆる三位一体改革の結果を、きちんと評価・反省した上で、今後の地方分権改革に臨んでいく必要がある。今後の対処への見解は。

これまで以上に裁量性の高い一般財源の確保等を、地方六団体と連携、国に提言していくなど、地方の側から改革の議論をリードできるよう取り組んでいく。

新型交付税は国の恣意的な操作の余地があるなど危惧される点が多い。

積雪寒冷といった、本道の特殊事情を的確に反映した算定方法となるよう、国に要望。本道の実情等を踏まえながら、国で算定方法の詳細が検討されている。

(2)道州制について

道州制等、地方分権推進に臨む知事の姿勢、決意は。

道州制特区推進に向け、道内議論をしっかり積み重ねた上で、国に新たな提案をしていく。道民の声を後ろ盾として、提案実現に全力を尽くす。

国の道州制特区基本方針で、支庁の再編が2カ所記述されている。支庁制度は、北海道が決めるべき「自治権」そのもの。国による自治権干渉と言うべきものだ。

道は、支庁制度改革を地域主権型社会形成に向けた取り組みとして支庁制度改革を進めている。基本方針でも、これと同様、関連する取り組みとして位置づけられたと考えている。

今後の提案への基本姿勢は。

特区は、道州制の効果や意義を、道民や国民に実感してもらうもの。経済活性化や、住民生活向上に向けて検討、オープンな議論でまとめていきたい。

提案に向けては、真に規制改革が必要な事項と、法令解釈によって自主的処理が必要な事項を峻別すべきだ。

庁内に検討チームを設置、寄せられた提案等を十分精査して取りまとめていきたい。

道民世論の喚起と、それによる後押しがなければ、特区推進法に盛られた小粒の8項目の二の舞になりかねない。道民世論形成に、どう取り組むのか。

提案に向けた様々な意見・提言が寄せられており、これを道民に情報提供、庁内検討チームでの検討、有識者検討委員会でのオープンな議論で、提案をまとめる。

増田岩手県知事を、道州制のための道顧問に迎えるとの報道があるが、なぜ道州制のフロントランナーと称してきた知事が、顧問を置く必要があるのか。

増田知事からは、これまでも様々な助言をいただいており、今後も折にふれ、助言していただきたいと考えている。


<指摘>

(1)支庁制度について

小泉・安倍政権による三位一体改革等によって、夕張や旧産炭地、過疎地、離島等、道内市町村の財政はズタズタにされ、地域の崩壊が始まっている。いま、北海道にとって必要なのは、支庁制度の充実強化だ。

(2)“人財”の活用について

道州制担当顧問設置については明言を避けた。高い見識を持つ有識者の意見を聞くなとは言わないが、道産子パワーの結束を最優先すべきだ。

(3)自立的経済への転換について

国の規制・関与を撤廃し、権限・財源を大胆に地方に移譲するため、北の大地の道産子パワーの結束と底力が必要だ。

(4)市町村との協働について

支庁機能を充実強化し、市町村との協働を図り、国の北海道つぶしとも言うべき政策に反旗を翻し、地域主権型社会にふさわしい、地方自治の基盤を作るべきだ。

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4.委員会における主な質疑

(1)常任委員会・特別委員会(07年1月〜3月)

総務委員会では、沢岡信広(北広島市)議員が2月6日に交際費・食糧費の支出のあり方について質疑。

総合企画委員会では、高橋由紀雄(空知支庁)議員が1月30日に「夕張市財政再建計画素案」及び「夕張市の財政再建と地域活性化に向けた道の支援策」について質疑。

環境生活委員会では、三井あき子(旭川市)議員が2月6日に男女平等参画の推進について、平出陽子(函館市)議員が3月6日に、北海道電力火力発電所における点検状況について質疑。

保健福祉委員会では、林大記(札幌市南区)議員が1月9日に、道立中央乳児院の民間移譲について質疑。

経済委員会では、木村峰行(旭川市)議員が2月6日に道営電気事業のあり方に関する報告書について、池田隆一(小樽市)議員が3月6日に、水力発電施設、工業用水  道施設に係る自主点検結果について質疑。

農政委員会では、北準一(空知支庁)議員が2月6日に鳥インフルエンザについて、農地・水・環境保全向上対策について質疑。

文教委員会では、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が3月6日にいじめに関する実態等調査について、勝部賢志(江別市)議員が3月6日にいじめに関する実態等調査につ  いてそれぞれ意見。

産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、北準一(空知支庁)議員が2月7日に北海道産炭地域産業振興方針案について、星野高志(札幌市東区)議員が3月  6日に北海道電力の発電施設の点検状況について質疑。

新幹線・総合交通体系特別委員会では、池田隆一(小樽市)議員が1月10日に、新千歳空港の安全対策について質疑。

青少年・少子対策特別委員会では、平出陽子(函館市) 議員が1月10日に、道立中央乳児院の民間移譲について質疑。

道州制問題等調査特別委員会では、池本柳次(十勝支庁)議員が3月6日に、北海道道州制特別区域計画の作成について反対意見。

(2)第1回定例会予算特別委員会

 第1回定例会予算特別委員会は、3月1日〜5日に開かれ、小谷毎彦(北見市)議員が道土地開発公社について、札幌医科大学の独立行政法人化について、道税について、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が周産期医療システム整備計画及び小児医療について、須田靖子(札幌市手稲区)議員が循環税について、家庭ゴミの有料化について、サニックスの火災について、林大記(札幌市南区)議員がサハリン2プロジェクトに関する環境保全対策について、北電発電所のデータ改ざんについて、鈴木泰行(札幌市白石区)議員が道州制について、夕張問題について、知事公約について、いわゆる道庁マシーンによる選挙違反行為について、根室支庁長の選挙違反行為について、電力会社のデータ改ざん問題について、西田昭紘(釧路市)議員が商業振興について、観光振興について、雇用における格差問題について質疑した。総括質疑では、佐々木議員が周産期医療・小児科医療について、鈴木議員が道庁マシーンによる選挙違反行為について、電力会社のデータ改ざん問題について知事に質した。

 

<附帯意見>

1.近年、本道各地において、医師・看護婦不足が顕著化し、地域医療は、まさに崩壊の 危機に瀕している。道民がどこに住んでいても、必要最低限の医療サービスを等しく受 けることができるよう、道は医療対策協議会と連携を密にしながら、医師確保方策を実 行し、一方、国への働きかけを強化するほか、潜在看護師の修業促進を図るなど、具体 的な対策を早急に講ずるべきである。

1.障害者自立支援法が施行され1年が経過しようとしているが、法律の施行に関し、障 がい当事者や関係者からは、多くの意見や要望等が出されたところである。障がいのあ る方々の地域における自立した生活を実現するため、今般、国から示された特別対策事 業を適切に実施するとともに、制度の拡充に向け、今後とも、利用者や関係者からの意 見を十分に聞き、国に対し必要な意見や要望を行うべきである。

1.地方公務員は、政治的中立性を保持しなければならないものであるから、今後、各級 選挙に際して職員は、疑惑を招き、住民の信頼を損ねることのないよう、務めるべきである。

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5.当面する課題と会派の対応

(1)地域行政について

 先頃、昨年4月に実施された国土交通省の過疎地域集落に関する調査の結果が公表された。道内の過疎地域集落4千のうち5.2%の208集落は、いずれ消滅すると判断される結果だった。15年ほど前から、「限界集落」という言葉が提唱されている。過疎化や高齢化の進展で人口の半分が65歳以上の高齢者となり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことを指す。これに加えて、最近は「限界自治体」という言葉も唱えられはじめている。

 地域においては、農協や漁協の統合が進み、金融機関の再編が進み、郵便局ネットの崩壊が現実のものとなりつつある。都市部では、コンビニでも利用できるようになっている貯金や振り込みという、最低限の金融サービスすらが、どんどん不自由になっている。地域の格差がとめどなく広がっている。医療や教育までもが、効率性、採算性を持ち込まれることによって、地域から消えていこうとしている。

 こうした、中央主導の、市場原理主義、効率主義に対して、国の姿そのものを、地域が主役、住民が主役のものに変えていく近未来への提案が道州制をはじめとする地方分権であるはずなのに、道が提案した「道州制特別区域計画」は、北海道が、その先行ランナーだという誇りといったものが、まったく感じられず、「やせ細った道庁」、「やせ細った市町村行政」を作り出すだけの行財政改革ばかりが押し出された内容だった。道財政立て直しプランも、収支不足が生じれば、削減をさらに強化すると言うばかりの答弁に終始した。

 こうした知事の姿勢が見え隠れするから、市町村は、道の事務権限移譲に前向きに対処しないし、道民は道州制論議に参加しない。北海道の農業を守るための道、市町村の姿勢、責任が問われる農地・水・環境対策についても、道の対応がしっかりと示されないから、市町村や農業者は二の足を踏んでいる。
 夕張市や旧産炭地域で起きたことは、その地域の責任による特別な事例であって、住民には最低限のサービスが維持されれば良いと言わんばかりの答弁だったし、市町村財政への道の役割は、「行財政改革への助言をしっかりと行うこと」との答弁だった。こうした、冷たい切り捨て一辺倒の道政の姿勢は、財政危機に直面し、地域の疲弊に悩む市町村、住民を不安にさせるばかりだ。

  障害者自立支援法への対応に、特徴的だが、知事は国に立ち向かう気はなく、地域の悲痛な声を受け止めて問題を解決しようという意志がない。知事が、道独自の支援を求める声に対して、「道の仕事は就労支援をすること」と述べてきたが、その就労支援にも、見るべき実態がない。

 限界集落や限界自治体を、国が作り出し、それに道が加担している状況だ。広大な北海道に張り巡らされた支庁をはじめとする道の出先機能を再活性化させ、住民、市町村の道政への信頼を回復しながら、北海道の自治のあり方の構築、地域の維持強化に取り組んでいかねばならない。

(2)道財政について

 新年度道予算は、知事が、「道民に一定の負担や痛みをお願いする」として、削減一辺倒で進めてきた「道財政立て直しプラン」が効果をあげることができず、ますます厳しい状況に追い込まれての編成となった。
 プランでは、19年度の道税・地方税合計での確保見通しを、18年度予算対比で230億円減少と見込んでいたものが、道税と所得譲与税合計で180億円減、地方交付税が150億円減の合計330億円減となる見込みが明らかにされた。

 こうした厳しさから、従来の骨格予算では当初全額計上していた直轄事業負担金、義務的経費を上半期分のみ計上に変更するという、骨格段階から綱渡りの編成になっっている。

 地方財政計画と比較すると、地方税収入の伸びが、全国を大きく下回っているのが、苦しさの大きな原因。経済産業省出身で、経済に強いと言って就任した知事の、経済・雇用政策の失敗が、さらなる道財政の危機を招いた格好だ。

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