2003年1月25日
民主党北海道総支部連合会

はじめに
01. 2010年までに実現をめざす北海道の姿
02. 今後4年間に取組む重点政策






はじめに

 北海道はいま、大きな曲がり角に立っています。
 拓銀の経営破綻、開発庁の再編統合、公共投資予算の抑制などにみられるように、これまでの開発と発展を支えてきた枠組みは大きく変化しました。
 北海道が担い、期待されてきた資源供給や大規模工業展開の場の提供といった役割は、グローバル化やIT革命が進展する中で、諸外国に取って代わられつつあります。
 デフレ経済の長期化、少子高齢の急速な進展の中で、出口の見えない閉塞感が日本社会全体を覆い、本道においても不安がとめどなく広がっています。
 こうした状況にあって、21世紀北海道の展望は、確たるビジョンのもとに、これまでの中央依存、官依存の体質から脱却し、「自立」と「共生」をキーワードにした新しい社会を創造する改革を進めない限り、切り拓くことはできません。
 私たち民主党は、時代の潮流を的確に読み取りながら、日本国憲法の三原則(恒久平和、主権在民、人権尊重)を踏まえつつ、
 @依存体質からの脱却  A地域から国を変える B生活者の目線
という三つの視点から、「2010年までにめざす北海道の姿=21世紀ビジョン」を描いています。
 今回の統一地方自治体選挙では、このビジョンの実現に向けて、今後4年間に取り組むべき重点政策(北海道再生のプログラム)を道民の皆さんに提案し、その具体化に全力を尽くすことを約束します。


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01. 2010年までに実現をめざす北海道の姿


@ 依存体質から脱却し、「自立」と「共生」のたくましく、やさしい北海道
 (中央依存・官依存の体質から脱却し、自立の気概あふれる北海道)
「道州制」が先駆的に導入され、北海道のことは道民自らが決める、自治能力の高い「北海道政府」が確立され、国依存体質や中央省庁の縦割り行政から脱却した北海道
技術力の向上やIT、バイオなどの新技術を活用した経済・産業構造の改革が進み、公共事業依存から脱却した「自立型経済」による雇用不安のない北海道
自然と人が共生し、人権が大切にされ、互いに支えあい安心して暮らす男女平等参画の地域社会、核兵器や核廃棄物等の持ち込まれない安全で平和な北海道

A 特性と可能性を生かし、内外に発信・貢献する活気あふれる北海道
 (グローバル化の時代にあって、異質の魅力をアピールする北海道)
「食料」や「環境」、「クリーン・エネルギー」など、21世紀が抱える地球規模での問題について、国内外に貢献する北海道(「食の大地」、「クリーンな大地」北海道)
豊かな自然の中で、うるおいや安らぎを実感でき、「健康」の回復・増進や生涯学習、「教育」、研究開発等に時間と空間、サービスを提供する北海道
北東アジアをはじめ、内外とネットワーク網を張り、多様な価値観・ライフスタイルに対応して人や物、情報の「交流」の拠点・発信基地となる北海道

B 生活者の目線に立ち、道民や市町村から信頼される道政
 (道民による道民のための道政、民主主義の精神が貫かれる
  北海道)
生活者の目線に立って地域社会を考え、道民や市町村、及び国との対等な協力関係で公共サービスを提供する道政
「公開」と「参加」を基本に、「情報の共有」、「説明責任」の遂行、「道民投票」など自治のシステムを完備し、道民や市町村から信頼される道政
知事(首長)、議員、職員の行動倫理が確立され、不祥事はもとより、政・官・業の癒着など利益誘導型・利権体質が一掃された道政

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02. 今後4年間に取り組む重点政策
(北海道再生のプログラム)


1. 「道州制」の導入、道政改革の推進(自治の再生)
2. 「依存から自立へ」、経済構造の転換(経済の再生)
3. 新しい「地域コミュニティ」の創造(地域の再生)
4. 「山、川、海」、自然と人の共生(環境の再生)
5. 人材育成、「北海道スピリット」の創造(人材の再生)
6. 平和のための自治体外交(平和の再生)

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1.「道州制」の導入、道政改革の推進(自治の再生)

(1) 地域のことは地域自らが決める新しい地方自治政府をつくる
国と道の事務事業の一元化を推進しつつ、新世紀にふさわしい分権型国家のシステムとして、一国多制度の「道州制」を北海道で先駆的に導入する。
支庁制度については、地域振興の役割を明確にしながら、市町村合併等に伴う基礎自治体のあり方とリンクさせ、支庁の機能や権限、所管区域について、市町村や住民と協議しながら全面的に見直す。また、支庁制度の改革と連動して、本庁と支庁のあり方を抜本的に見直す。
市町村合併については、行財政効率化の観点のみでなく地域のあり方の観点で住民合意のもとで取り組む。少ない人口で広大な面積を有する市町村が多く、必ずしも合併による効果が期待しにくく、むしろ行政サービス低下や地域格差拡大等の懸念も強い北海道の実状に即した「多様な自治の姿」を検討し、合併の途を選択しない市町村と道との新たな連携システムを構築する。
「道州制」、支庁改革、基礎自治体のあり方の改革を「三位一体」で進め、国に対し道への税財源、権限の移譲を強く求めるとともに、道から市町村への移譲を進める。

(2) 公開・参加の道政、経営感覚を持った道政改革を推進する。
北海道が進めてきた情報公開、政策評価、オンブズマン等の行政運営の改革の成果を高めることや、住民主権及び住民と自治体の対等・協力関係を保障するために、住民の「知る権利」や「参加する権利」、行政や議会の情報公開や説明責任、常設型住民投票制度等を規定する「北海道自治基本条例」を制定する。
道財政の早期健全化に向け、行政システムや関与団体、公共事業等を道民参加のもとで、抜本的に見直す政策評価を進め、予算編成を財政主導型から政策主導型に転換する。
職員が現場に足を運び、自治体や各種団体だけでなく道民個々人とのきめ細かい対話に基づく道政を構築する。 
不祥事の再発防止や、政・官・業癒着の利権構造を抜本的に改革していくために首長、議員、職員の行動倫理を確立する。関与団体、公共事業受注企業等への「天下り」を禁止する。
入札、委託契約については、公平性、透明性を高めるため、電子入札拡大等の改革をさらに進めるとともに、地域公共サービスに関わる入札、委託契約に際して、公正労働基準、社会的価値を確保するために「北海道公契約条例」を制定する。
電子自治体の構築を進めるとともに、住民基本台帳ネットワークシステムについては、個人情報保護法の制定、アクセス履歴の情報公開等の個人情報保護対策を十分に講じた上で運用する。

(3) 道議会を道民に開かれたものに改革する
議会を道民に開かれたものとするため、より一層の情報公開を進める。
議会質疑における過度な事前通告を見直し、論議は道民に公開された議場等の場で行う。
いわゆる「口利き」「あっせん」行為を根絶するために、議員等からの提言、要請等を公文書化し、情報公開の対象とする。
公開と参加を基本にして、首長との対等依存の関係や議会の持つ機能と権限(住民代表機能、団体意思の決定機能、条例制定など立法の機能、行政統制の機能、機関意思の決定機能等)の充実強化を規定した「北海道議会基本条例」を制定する。
議会事務局については、行政からの独立性を高める中で、機能強化を図る。


2.「依存から自立へ」、経済構造の転換(経済の再生)

(1) 時代の変化に対応するための産学官共同研究、新技術・新産業の創出・起業化を進める
バイオテクノロジー、IT、環境・リサイクル、新エネルギー等成長期待分野における産学官共同研究を進め、その成果を事業化する産業クラスター等、戦略的なプロジェクトの推進や起業化を支援する。
ベンチャーなど起業促進、成長分野等における新規開業促進のために、道の補助・融資制度の拡充強化等による資金調達の円滑化を図り、経営・法務・財務・会計・マーケティング等のノウハウ支援のためのシステムを整備する。
高齢社会に対応した福祉ビジネスの育成・振興や、北海道の優位性を生かせる自然環境の維持・保全、循環型社会の実現を図る環境ビジネスを育成、支援する。
条件不利地におけるIT基盤整備の支援、産業の情報化、地域の情報化、情報関連産業の育成等、北海道の高度情報化を総合的に進めるための「北海道高度情報化推進条例」を制定する。

(2) 既存産業の経営革新、競争力強化に取り組む
デフレ経済下で苦しむ企業の再生に向け、国に対し地域金融円滑化法(金融アセスメント法)の制定を求めるとともに、専門家による支援チームの設置等の体制整備、経営の下支えとなる制度資金の拡充や、信用保証協会の機能強化等、中小企業向け金融の円滑化対策を促進する。
公共事業減少等の影響が顕著な建設業での協業化等の経営体質強化や、異分野進出等のソフトランディング対策を進める。
観光を北海道の基幹産業に育てるために、国際的にも発信できる観光資源・ルート等の開発・整備を進め、地方空港乗り入れ航空運賃引き下げや、地方空港でのCIQ(税関・入国管理・検疫)体制整備等の観光客受け入れ環境を整備する。

(3) 環境等多面的な機能に着目し、一次産業の再生強化を図る
一次産業と製造業、流通産業等の連携で、食に関する「北海道ブランド」を再構築し、その優位性を内外に発信し、地域での多彩な産品づくりを支援、北海道の一次産業を再生強化する。
環境等の多面的な機能に目を向けて、所得補償等の手段を講じ、持続可能な農林水産業を確立する。
BSE(牛海綿状脳症)等の対策を進め、生産加工から流通、食卓までの食品履歴情報(トレーサビリティシステム)など、食の安全・信頼システムを構築する。
農業農村整備事業を地域、農業者本位に転換し、法期限の迫っている家畜ふん尿対策をバイオ活用も含め支援する。新規就農を促進するために、生産法人の育成強化や農場のリース制導入を進める。
「緑のダム」、地域木材利用促進、森林バイオ等に着目しながら森林整備や管理を支援する。
栽培漁業充実強化、海の環境保全による水産資源の維持や管理を促進する。
消防法、食品衛生法、旅館業法、酒税法等の規制緩和によるファーム・イン(農家民宿)推進等の「グリーンツーリズム」を振興し、都市住民との交流により一次産業への理解を促進、一次産業者の経営安定を図る。遊漁船等の海洋レジャーでの安全性確保や漁業や海洋環境との協調を進める。

(4) 雇用創出を進め、雇用の地域セーフティネットを確立する
新産業の起業化、一次産業での新規就農システム整備、緑の雇用の展開をはじめ、社会資本整備の重点を社会的要請の強い福祉・介護、環境保全、教育・保育、住宅・公共施設のバリアフリー化等に転換すること等による雇用を創出する。
雇用機会の確保のために、職業訓練を単なる技術指導のみでなく、働くことへの意識改革等も伴う総合的なものとし、企業や社会のニーズに即応する、実践的な人材育成の場とする。在職者の職業能力の自己啓発を支援するためのシステムを構築する。地域の有する技術や人材の蓄積を継承するための「ものづくり」教育を推進する。 
やむを得ず失業した場合の就職までの生活支援や、生活プラン等を含む総合的な職業相談、居住する自治体での職業相談・紹介等への対応窓口の開設等、地域での雇用セーフティネットを充実強化する。
雇用保険制度の枠外に置かれている、新卒者や自営業者等が求職する際の職業教育・訓練、就職活動の支援を拡充する。
季節労働者のための冬期雇用援護制度の存続・充実を図るとともに、通年雇用化に向けた対策を進める。
企業が不当に従業員を解雇しないよう、また、性別や年齢での差別をしないよう監視を強化する。パートタイム労働者や有期契約労働者の労働条件を改善するとともに、企業や行政における「ワークシェアリング」の手法導入を促進する。


3.新しい「地域コミュニティ」の創造(地域の再生)

(1) 市民と行政が対等、協働しての地域社会づくりの環境を整備する
少子高齢への対応、循環型経済社会の形成、教育やまちづくりなど幅広い分野でNPOなど市民活動が展開していけるように、活動の交流拡大等の環境整備、地方税軽減・融資制度拡充等の支援を進める。
市民と協働して地域社会づくりを進める観点から、NPOなどへの公的業務委託を拡大する。
雇用機会拡大や空き店舗活用等の商店街活性化等の観点から、NPO等によるコミュニティビジネスを育成、支援する。
新しい地域づくりの観点から、地域通貨に見られるような地域コミュニティづくり、「地産地消」の運動等、地域での創意ある取り組みを支援する。

(2) 性や民族、年齢、障害等によるあらゆる差別撤廃を進め、バリアフリーの地域社会をつくる
性、年齢、障害、国籍、民族等による差別撤廃をはじめ、家庭内暴力や児童虐待等の人権擁護に総合的に取り組むために「北海道人権基本条例」を制定する。
男女平等参画社会の推進のために、北海道男女平等参画条例の具現化を進め 、女性の社会参加を進めるためのクォータ(割り当て)制度導入等を進める。
先住民族としてのアイヌの人たちが、民族的な誇りや尊厳のもとに、民族としての独立性を保ち、その文化を発展させていくために、言語や伝統文化の保存振興を図り、伝統的生活空間の再生事業等を進める。また、アイヌの人たちの生活や雇用の安定、生活環境の改善を進める。
真の国際化社会を作り上げるため、永住外国人への地方選挙権付与、外国人市民の住民投票への参画等を進める。
差別撤廃を推進するため、自治体の入札参加・契約委託条件に障害者雇用率達成、企業内男女平等参画状況等の基準を取り入れる。

(3) 少子化の克服のため子育て対策を推進する
子どもを安心して生み、育てるために、育児休業の普及や拡充、幼保一体化等による低年齢児保育、延長保育、夜間保育、休日保育等の多様な保育体制を整備し、ひとり親家庭の支援等を進める。
児童虐待防止対策等、子どもの「生命・生存・発達の権利」を明確にした施策を展開する。

(4) 安全で安心して暮らせる地域社会をつくる
介護保険制度は、広域的な取り組みをより促進しながら、介護を担うサービス基盤を拡充し、低所得者対策等で住民の納得いく制度改善に取り組む。
「障害者支援費制度」の利用者の声を生かした円滑実施を図り、道路や学校、公共施設等のバリアフリー化等の「福祉のまちづくり」を推進する。
いつでもどこでも適切な医療が受けられるよう医療スタッフ確保等の地域医療や、救急医療体制を充実する。
安全で安心して暮らせる地域を作るため、火山防災対策をはじめとした、防災・危機管理対策を、ハード・ソフト両面から強化する。
高齢者や通学者等の交通手段を確保するために地方バス支援等の地域交通対策を推進する。


4.「山、川、海」、自然と人の共生(環境の再生)

(1) 地球温暖化防止を進め、資源循環型社会を実現する
二酸化炭素削減等の北海道としての独自指標、森林整備促進策等を規定する「北海道地球温暖化防止条例」を制定する。
資源循環型社会の実現に向けて「ごみゼロ」作戦に取り組み、環境ビジネスの育成も含めたリサイクル・リユースを促進する。廃棄物不法投棄の根絶に取り組む。

(2) 内外に発信・貢献できる優れた自然環境・景観を保護保全する
地球温暖化防止、環境の維持保全、災害防止等多面的な観点からの「緑のダム」として森林整備を推進する。
自然と人が共生し、適切な利用を進めるために、アウトドア指導者の育成等を進める。生態系を破壊する外国からの移入種対策を強化する。

(3) 地域住民参加により公共事業を見直す
公共事業は、全国一律からの脱却を目指し、事業の必要性、優先度、費用対効果等を、関係する地域の生活者が参画して評価・決定するシステムを確立する。
社会資本整備に関わる補助金制度を道や市町村がそれぞれの判断で使える包括交付金に、切り替えることを、国に求めるとともに道段階で先行実施する。そうした中で、少子高齢に対応した保健・福祉・医療や教育施設、道路・建物・住宅の冬期バリアフリー化、循環型社会形成に向けた廃棄物処理施設整備、高速交通ネットワーク整備等の時代の変化、要請に即した事業を、地域が優先度を付けて選択、効果的・重点的に事業を進める。

(4) 脱原発を目指した省エネ・新エネ施策を進める
目標年次を定めた北海道の「脱原発・省エネ・新エネアクションプログラム」を策定し、水素エネルギー(燃料電池)や天然ガス、風力・太陽光・雪氷などの自然エネルギー、木質や畜産バイオ等環境付加の少ない新エネルギー・代替エネルギーの技術開発・普及を進める。
原子力発電所の安全対策については、国に対し原子力行政の推進と規制を明確に分離することを求めるとともに、国及び電力会社に対し情報公開の徹底を求める。
幌延町における深地層研究所などに、将来にわたって放射性廃棄物が持ち込まれることがないよう監視体制を整備していく。


5.人材育成、「北海道スピリット」の創造(人材の再生)

(1) 北海道を支える人材を育成する
新しい姿の地方自治の行政実務を担うにふさわしい職員を育成する。
依存型から自立型へ、食や環境、健康、観光、情報、新エネルギー等の分野を中心に、北海道活性化に必要なノウハウ、技術や挑戦する精神を持つ人材の育成・誘致を進める。
地域の活性化や地域コミュニティを創造していくNGO、NPO等市民活動を担う人材、男女平等参画社会を推進する人材を育成する。
人材育成を地域が一体となり総合的に進めるための「北海道人材育成条例」を制定する。
(2) いつでもどこでも心豊かに学ぶための環境を整備する
教育の地方分権を進め、学校と地域が協働して一人ひとりの個性を伸ばす教育を進める。
自己決定や自己責任を育む教育、地域感や職業感を育む教育、情報や外国語教育、環境・平和・人権の教育を進める。
スポーツ・文化施設整備等、道民一人ひとりの多様なライフスタイルに応じた生涯教育充実のための環境整備を進める。


6.平和のための自治体外交(平和の再生)

(1) 国及び自治体等による平和を基本理念とした外交・国際交流を積極的に進める
日ロ平和条約の早期締結、北方四島の早期返還実現を図る。
「核兵器を搭載した外国軍艦・軍用機の港湾・空港使用を認めない条例」の制定等、将来にわたり「非核・平和の北海道」にすることを世界、全国に宣言していく。
米海兵隊の矢臼別演習場での移転訓練については、「規模縮小や夜間訓練中止」「日米地位協定の見直し」等の地元意向を在日米軍、国に求め、改善が行われなければ受け入れを拒否する。

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