
■ 地域の自立化を促す新しい国づくり
■ 政治主導による行政改革の推進
■ 透明で公正な税・財政システムの確立
■ 信頼と参加の政治改革の推進
■ たくましい北の農たく林漁
■ 安心できるセーフティー社会の構築
■ 友愛と共生社会の建設
■ 環境を大切にする資源循環型社会への再生
■ 未来のための教育
■ 危機管理機能の充実
■ 平和・環境・人権に貢献する外交の展開
■ 平和貢献の安全保障システム
民主党は、「経済の再生」とともに、「社会の再生」に果敢に挑戦します。そのために、これまでの官僚支配の中央集権型国家を排除して、国民の自己決定と地域の自主責任がより明確になる「分権連邦型国家」への転換を大胆に推進します。
民主党は、国民と地域が主役となって自立し、自らの主体性に基づいて責任を負う新しい民主主義、新しい国づくりを積極的に創造していきます。
〇「分権連邦型国家」への転換
官僚支配による中央集権的な国のあり方を、国民主権と地方自治を基本とする「分権連邦型国家」に大胆に転換します。そのため、広域自治体の再編とともに、充分な権限と税・財源の付与を前提に基礎自治体の再編を進めます。
〇自治体と国の新しい役割
国が行う事務は、外交・防衛・皇室・司法・通貨政策等のほか、社会のルールの設定とそのチェックに限定します。社会保障については、財政調整機能と最低基準の設定に、また国直轄の公共事業については、大規模災害復旧事業と3つの広域自治体(現在の都道府県)にまたがる事業に限定します(但し、北海道では一道でこの範疇とします)。これらを除く事務は、原則、地方に移管します。この原則に基づき、中央省庁の抜本的再編を推進し、中央政府のスリム化と国家規制の大幅な縮小・緩和を実現します。
〇「地域政府」の建設
自主・自立の北海道をめざし、それを担う「地域政府」を建設します。そのため、現行の14支庁体制を見直し、市町村における福祉や産業廃棄物処理等の広域的な生活政策を支援する「生活支庁(仮称)」と、圏域単位の「圏域支庁(仮称)」に再編し、本庁から権限と予算を移譲する等、「道州制」移行への環境整備を積極的に推進します。
また、現行の北海道開発法を見直し、分権、自治、参加を新たな理念とする「北海道地域振興法(仮称)」の制定を目指します。
〇「地方自治基本法」の制定
議会と選挙に関わる条例制定権を含む地方自治体の権限及び財源などを明確にした「地方自治基本法」の制定を目指します。
〇財源の地方移譲
地域の自立を保証するため、国と地方の税財源比率を、現在の「2対1」から「1対1」に転換します。
所得税の税率10%に相当する部分を地方に移譲するとともに、国の税収の25%を超える部分を財政調整資金として地方自治体に配分します。配分の方式は、明確な配分方法を別に確立します。
また、補助金は、使途を限定しない包括補助金制度に転換します。
行政改革は、単に省庁の再編成にとどまることなく、その質的変革を図るものでなくてはなりません。官僚支配ではなく、国民主権の政治・行政は、政治が行政をコントロールし、その政治を国民が選挙を通じてコントロールすることによって、初めて実現します。
民主党は、情報公開の徹底や行政監視システムの強化など、政治主導による行政改革の質的転換を断行し、国民に開かれた透明・公正の行政システムを確立します。
〇首相権限の明確化
「内閣法」を改正し、内閣総理大臣の統括権や指揮監督権、裁定権を明確にします。また、「首相府」を設置し、首相の政治的補佐機能の充実を図るほか、総理直轄で予算編成の総合調整、人事、政策評価等を相当する機関として「内閣府」の機能の拡充を図ります。
〇政治主導の省庁運営
次官・局長など指定職以上の幹部職員は特別職とし、民間人の登用を含む人材の流動化を推進します。
また、省庁別縦割り人事・採用制度を見直し、省庁横断による一括採用・一元人事を導入することで省庁別縦割り行政と省益の弊害を改革します。
〇行政監視能力の強化
内部監査の限界を是正するため、立入調査、資料提出請求、参考人招致等の強力な調査権限を持った「行政監視院」を国会に設置します。
各省庁に対する指揮権と政策評価を恒常的に実施する「行政改革推進室」を内閣府に設置します。また、「政府業績評価法(日本版GPRA法)」を判定し、予算編成の効率・公正化と透明化を確立します。
〇情報公開と政治参加の拡大
「情報公開法」に知る権利を明記し、その対象を特殊法人や行政代行業務を行う公益法人・営利企業まで拡大します。
また、長期計画・基本構想の策定過程や事業執行過程・行政評価過程への市民参加の拡大を図るとともに、「住民投票制度」導入を推進します。
〇天下り規制の強化と入札制度の改革
不明朗な官民癒着を断ち切るため、公務員の再就職に関わる規制を営利企業から、特殊法人・独立行政法人、公益法人にまで拡大し、監視の強化を図ります。地場企業優先を前提とする一般競争入札制度の拡大等、透明性と競争性が確保される新たな入札制度に抜本的改革を図ります。
〇信頼の道政の確立
官々接待の全廃、外部監査制度とオンブズマン制度(*1)の充実、各種審議会等への女性や市民の登用・参加の拡大、「時のアセスメント」の徹底と「政策評価アセスメント」の確立や「財政アセスメント」の導入及び道の関与団体等の整理・統合を進め、信頼の道政の確立に努めます。
*1 オンブズマン制度 行政監査専門員制度。行政苦情の解決や行政の適正運用などを市民など
代理人が監査する。
税・財政は、政治・行政と国民をつなぐ結節点であり、国の形を端的に表すものです。今、政治の貧困、理念なき「自自公」連立政権の迷走によって、税・財政のあり方に対する国民の信頼が失われつつあります。 民主党は、「公平・簡素・中立」の原則に基づき、透明度の高い税構造の確立を図るとともに、その使途を監視・評価し、規律ある公正な財政システムの再建を推進します。
〇財政の透明化
国・財政投融資・特殊法人・地方自治体などの公会計に「企業会計的手法」の導入を図 るとともに、その情報の開示による財政の透明化を確立します。
〇財政と金融の完全分離
「財務省設置法」を改正し、財務省(大蔵省)から金融行政を完全に分離し、新設の「金融庁」に一元化します。また、金融検査官の増員を図るとともに、金融検査体制の強化・確立を推進します。
〇公共事業の改革
従来の公共事業関係長期計画、国土総合開発計画、土地利用基本計画を内閣総理大臣の統括化で策定する「社会資本整備総合計画」に一元化し、国会承認の義務化を付与します。
また、この計画に伴う事業費と経済効果の試算、環境影響評価、入札に関する情報等の徹底公開を図り、事業内容と財政の透明化を実現します。
〇歳出構造の転換
現状の公共投資水準は当面維持することとしますが、公共事業配分の徹底見直し、重点化による歳出構造の転換を図ります。 また、「PFI」の導入により、公共事業の効率化を促進します。
〇所得税の簡素化・総合課税化
個人所得税については、国と地方を合わせた最高税率を40%以下を目標に引き下げます。所得の捕捉を公平・透明なものにするため、総合課税化と納税者番号制度の導入を図ります。
また、配偶者特別控除などを見直し、女性の就労意欲と自立を妨げない税制改革を推進します。
〇法人課税の見直し
法人課税については、国と地方を合わせた実効税率を30%以下を目標に引き下げます。また、法人事業税の外形標準課税の導入を検討します。
〇消費税の改革と福祉目的税化
消費税については、帳簿方式からインボイス方式(*2)への変更による損税(捕捉もれ)の解消と透明化の確立、免税点(現行3,000万円)の適正水準への引き下げによる益税の解消、「カナダ型控除方式」の導入による逆進性の緩和等、現行消費税制度の欠陥部分の改革を積極的に推進します。
また、消費税は、基礎年金財源に充てる福祉目的税に改めます。
*2 インボイス方式 [invoice system] 売上高と税額が明記された仕送り状を事業者ごとに一本化することで納税の透明化を図る仕組み。インボイスは仕送り状の意。
政治改革は、選挙制度改革にとどまるものではありません。今なお、政官業の癒着と利益誘導の政治が横行し、不透明で抜け道だらけの政治献金制度が温存されるという実態は変わっていません。
民主党は、政治倫理の確立と政治参加機会の拡大等の政治改革を継続して推進し、信頼される政治の実現に全力で取り組みます。
〇政治倫理の確立
国会議員等の在任中の株取引の禁止、親族・秘書名義による公開逃れの歯止めの強化、虚偽記載に対する罰則など、資産公開制度を強化します。
また、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止、政党献金の団体間移動の制限と透明化など、政治資金規正法の改革を推進するとともに、罰則を伴う「政治的地位利用罪(収賄)」の創設により、政治倫理の確立を実現します。
〇選挙制度の改革
地方分権の進展に対応して、衆参両院の議員定数を段階的に削減します。
衆議院の選挙制度は、現行の小選挙区比例代表並立制の骨格を維持しつつ、惜敗率の見直し、比例当選議員の政党間移動や小選挙区補欠選挙への立候補禁止など、制度改革の実現を図ります。
〇政治参加機会の拡大
国民の政治参加機会を拡大するため、選挙権年齢の18歳への引き下げ、被選挙権年齢の20歳への引き下げを図るとともに、在外邦人投票制度の選挙区選挙への拡大を推進し ます。
また、外国籍定住者の選択的地方参政権を確立します。
食料の安全保障が叫ばれてからほぼ四分の一世紀が過ぎます。しかしながらわが国農業は、離農や高齢化が進むなかで、農業生産の衰退が続き食料自給率も低下しています。
農業基本法に代わって昨年成立した、「食料・農業・農村基本法」は、これまでのように、農業を農業生産の場として捉えるだけではなく、多面的で公益的な機能を持つ場として捉え直しました。この新たな価値観は、農業・農村にとどまることなく、農林漁業と農山漁村が持っている共通の価値観です。
今、地球レベルでの環境破壊が人類規模の課題となっているとき、農林漁業は環境型産業として、また、農山漁村は、環境空間と景観を人々に与える場として注目される時代です。
民主党は、農林漁業と農山漁村こそ「セーフティーネット型社会」にとって、欠かせない大切な要素として、また、本道の伝統的な基幹産業として一層の振興を図ります。
〇体質の強いたくましい北の農業
1.一層の基盤整備を進めスケール・メリット(*3)と環境に調和したクリーンな農産物としての優位性を確保するため、独自のブランド化を進めます。
2.ガット体制に伴う国内農業の環境整備として、所得保障制度を定着させます。また、固定負債の整理や新規参入者への支援等を強化します。
3.食料の国内シェア維持のため、食料自給率50%以上の確保に努めるほか、農地利用や食料備蓄目標値を定めます。
4.新たな貿易ルールの枠組みについては、農業が持つ多面的機能と役割を重視し急速な自由貿易体制移行への対抗措置を講じます。
*3 スケール・メリット[merit of scale] 単位当たりの費用が経営規模の拡大につれて低下すること。
〇環境空間としての林業
1.環境保全、災害防止等の多機能を持つ森林を再生するため「森林交付税」制度を創設しま す。
2.「森林交付税」を新たな財源として、担い手への所得政策を導入します。
3.新規参入者への支援、担い手の育成、経営体質の強化等、構造改革を進めるために「森林整備・山村振興条例(仮称)」を制定します。
〇育てる漁業の振興
1.資源管理型漁業の一層の振興、加工技術と品質管理の向上で市場の安定確保を図ります。
2.資源維持と安全操業のための漁業外交に努め、周辺海域の安全操業を確実にします。
3.海洋環境を守るため、国際間の危機管理体制を確立します。
〇やすらぎの農山漁村
1.環境保全、資源管理、災害防止、休息等、さまざまな機能を持つ農山漁村を「国民共有の財産」として再生を図ります。
2.観光・体験・やすらぎの場としてのネットワーク化と環境の整備を支援します。
3.農・林・漁の連携による地域起こしとしての「産業クラスター」の恵聖を促すことで、農山漁村に新たな不可価値を生み出します。
「安心できる」社会の基本は、誰もが住み慣れた地域で生活できる「地域福祉」の実践と、ハンディキャップを持つ人でも同等に活動できるような「ノーマライゼーション(*4)」社会の実現です。
高齢社会は、長寿長命社会であり、本来、人類の目標でありました。しかし、現在の日本が直面しているのは高齢社会への不安です。年金と医療保険の財政破綻が深刻化し、また 化学物質による汚染や遺伝子組み替え等、食べ物や健康への不安が広がり、消費者保護が大きな課題となっています。
民主党は、社会保障制度の再生に取り組み、新世紀への責任を果たします。
医療保険制度と年金制度の抜本的改革は、将来にわたってのセーフティーネットであり、その将来像を示すことは、民主党の責任です。
*4 ノーマライゼーション[normalization] 全ての人が一緒に暮らす社会がノーマルという福祉のあり方。正常化。標準化。
〇安心して暮らせる年金制度
基礎年金制度を全国民一律定額に給付する「国民基本年金」制度へ再編し、基本年金の 国庫負担率を引き上げるとともに、次期再計算時(2004年)には全額国庫負担(税方式) へ移行します。その財源は、福祉目的税化する消費税によります。
厚生年金報酬比例部分の60歳からの特別支給を維持しつつ「65歳現役社会」をめざす諸制度を強力に推進します。
高所得水準者を対象として65〜69歳の在職者の厚生年金については給付水準の調整を行います。
また、納税者番号制度の導入を受けて、年金を含めた総合課税と控除制度のあり方を検討します。
〇高齢者を対象にした新しい医療保険制度の創設と保険制度の改革
老人保険制度を廃止し、社会保険方式を基本とした新たな高齢者保険制度を創設し現役世代の保険料負担を大幅に減額します。財源の不足部分は公費負担とします。
高齢者の負担は、保険料、窓口負担を合わせ現役世代より低く設定し、低所得者には減免措置を講じます。
保険機能を抜本的に強化し、政府管掌健康保険は、広域自治体単位に分割し、国民健康保険は、組合国保を除いて広域自治体単位に統合します。また、医療機能に対する評価、医療機関の指定・取り消し権限、独自の診療報酬契約締結権などを検討します。
〇医療の情報公開と地域医療の充実
カルテやレセプト(診療報酬明細書)の開示とインフォームドコンセント(*5)の義務化を図り、医療機関の評価と情報公開をすすめ、苦情システムの整備と「患者の権利法」を制定します。
また、過疎対策の充実を図るとともに、いつでも、どこでも適切な医療が受けられるための 地域医療や緊急医療体制を充実させます。また、地域医療を担う医師の養成を促進します。
*5 インフォームドコンセント[informed consent] 患者に診療目的や診療内容を納得できるまで説明し、患者の同意を得て行う治療。
〇介護保険の充実
地方自治を創り出し、分権型福祉社会を生み出すための支援とともに「スーパー・ゴールドプラン」を策定し保険の基盤を集中的・緊急に整備します。自治体の介護保険条例制 定にあわせて「高齢者総合生活支援条例」の制定を促し、地域における高齢者支援施策を充実させます。
〇ノーマライゼーション社会の基盤整備
障害のあるなしにかかわらず、誰もが地域で暮らせる社会づくりを実現するためには、公共施設やバリアフリー住宅などのハード面の整備とともに、障害を持つ人の社会参加や障害者にかかわる資格制度の欠格条項の見直しなどソフト面でのバリアフリー化を進め、障害者の権利確立を図る基盤づくりに積極的に取組みます。また、重度障害者への支援を 一層すすめるために、障害保健福祉施設の分権化、サービス提供体制の一元化を推進します。
〇ユニバーサル・デザインの実現
デジタル改革とインターネットの急速な普及は、一方で障害を持つ人たちの新しい可能 性を開くとともに、他方では新たなハンディキャップをも作り出しています。障害者がアクセスできるインターフェイス(*6)の開発普及をすすめ、障害者に開かれた高度情報社会の 形成をめざします。また、家電製品や自動販売機、ATM(*7)の利用などについて障害者や 高齢者が利用しやすいユニバーサル・デザイン(*8)の実現を促進します。
*6 インターフェイス[interface] 相異なる装置を接続するための仲介装置。コンピュータ ーと人間の接点。
*7 ATM[automated teller machine] 現金自動預け入れ・支払い機。
*8 ユニバーサル・デザイン[universal design] 社会全体が快適に利用できる製品や機能等のデザインや公的施設にエレベーターやエスカレーターを設置するとともに、幅の広い歩道の設置や段差の解消、電線等の地中化をすすめます。また、特に障害を持つ人や高齢者に配慮した低床バスやドア・ツウ・ドア等の交通手段の確保に努めます。
〇バリアフリーのまちづくり
障害を持つ人が自由に移動できる「バリアフリーのまちづくり」を計画的に推進し、駅舎現行の建築基準法を改正し、「安全」「防災」「衛生」の目的に加えて「バリアフリー」を明記して、ノーマライゼーション時代にふさわしい基準に改革します。
2002年のDPI(*9)世界会議札幌大会へ向けての支援を行ないます。
*9 DPI[disabled peoples international] 障害者インターナショナル。障害者自身の国際団体。2002年のDPI世界会議は札幌市で開かれる。
〇政治参加のバリアフリー化
バリアフリー社会実現のため、視覚や聴覚、知的障害などを持つ人への選挙情報の提供や投票補助など、選挙参加のための条件整備を進めます。選挙活動や選挙事務の改革等、政治参加に必要なバリアフリー化を目指します。
〇消費者契約法の制定
悪徳商法、契約トラブルなどから消費者を守る「消費者契約法」を制定します。契約締結の過程に問題がある場合、契約を取り消すことができることとし、消費者に一方的に不利な内容については、「不当条項」として効力を停止させます。消費者団体などが悪質な約款などの差し止めを求める裁判を起こすことができる仕組みを整備するとともに、一般消費者が裁判を起こす際の費用負担の軽減を図ることを目指します。また、消費者教育を強化する政策を行います。
〇遺伝子組み替え食品への対応
遺伝子組み替え食品について、消費者の選択の自由を保障するため、表示を義務づけることを徹底します。
〇保育サービスの充実
低年齢児保育・延長保育・長時間保育・一時保育・病児保育等、多様なニーズに対応した保育体制を整備するため、施設や保育者のための財源確保などエンゼルプラン(*10)の充実を図ります。認可外保育所の施設や人員の充実、民間参入を促し、一定の条件を前提に国からの援助を実施します。また、民間保育等の小規模の子育てを支援します。
*10 エンゼルプラン 政府が1994年に策定した「今後の子育てのための施策の重点的計画 方向についての政府計画」。共働き家族を援護する育児対策。
〇保育所と幼稚園の一元化
保育所と幼稚園の一元化によって人員の確保と質の改善を図ります。また、一元化された施設を地域の子育て支援の拠点とすることで、育児不安の解消や虐待等の予防へとつなげていきます。
〇子育て支援手当
子育てをおこなう現役世代の経済的負担を軽減するため、児童手当を改め「子育て支援手当」を創設します。現行の児童手当の金額を倍増(第2子まで1万円、第3子以降2万円)するとともに、年齢を18歳未満(現行3歳未満)に大幅拡大を図り、その財源は公共事業費を振り向けます。
〇育児休業制度の充実
出産・子育てに携わる男女労働者の育児休業制度を充実させ、所得給付率を60%に高めるとともに、事業主に対して、子どもが病気のときの休暇や父親の育児休暇取得、企業内・事業所内の託児施設の設置等、育児支援制度を確立します。自営業の人にとっても利用しやすい季節保育が可能な施設の充実を図ります。
出産や育児により退職した男女が再び就業するとき、職業能力開発など希望に応じた再就職支援制度整備を図ります。
私たちが、いま直面している課題の一つに、社会基盤の揺らぎがあります。それは、個人も集団も、公人も私人も、企業も団体も、社会の隅々においてモラルハザード(*11)が深刻 化していることです。成熟した民主主義社会における社会の秩序は、まず、一人ひとりの人権が尊重され、そ の上に、一人ひとりが自己の行為に責任を負うことで成り立ちます。その個々人が、共に集団としての責任を果たし合う社会が、友愛と共生の社会です。民主党は、一人ひとりの自由と人権が大切にされ、そしてその上に、社会が共に支え合える友愛の社会を創ります。
*11 モラルハザード[moral hazard] 保険に加入したことで、相手に損害を与えることに無関心となる状態。転じて、さまざまな社会的無責任の状態を指す。
〇男女共同参画社会の実現
女性と男性が社会的・文化的に形成された性差に縛られず、個人として自らの意志と責任に基づいて政治、経済、社会のあらゆる分野の活動に参画することを可能とする男女共 同参画社会を実現します。 男女の均等な機会・待遇を確保することで家庭生活と職業生活の両立を支援します。また、性別ではなく個人の能力による募集・採用、配置・昇進等の職場環境を整備します。各種の機関への女性の参加を保証するため、当面、クオータ制(*12)の導入を促します。
*12 クオータ制[quota system] 割り当て制。差別の防止にあたって、ある比率で女性や少数者等を登用する制度。
〇NPOへの支堰
地方自治体によるNPOサポート施設等を拡充し、また、民間によるNPO支援の動きを支援するために、NPO支援条例の制定を推進します。 制度融資や信用保証、中小企業事業団の「創業助成金交付事業」「ベンチャー支援助成」や通産省の「シニアベンチャー支援事業」等、中小企業向け支援施策をNPOにも適用するとともに、個人(企業)が一定の要件を満たすNPO法人に対して寄付や対価性のない 会費を提供した場合には、その寄付金を所得から控除する制度を設けます。NPO事業の 定着のために規制緩和や制度改革を進めます。また教育学習において、NPO等や非営利活動の社会的意義や仕組みを学ぶ機会をつくります。
〇人権保障の確立
憲法や国連の人権に関する諸条約の規定に基づいて、性別、社会的身分、人種・民族・ 国籍、年齢、障害などによる差別の解消をめざし、教育啓発や差別禁止、被害者救済等、人権保障のための法制度や施策の改革に取組みます。
さまざまな差別事件、女性や子どもへの性的虐待・暴力などに対して、被害者の避難や救済を行うとともに、問題解決にあたる人材の育成や「かけこみシェルター」の設置を支援します。また、選択的夫婦別姓制度の導入や非嫡出子の相続差別の解消を図ります。
〇アイヌ民族の権利と文化の尊重
アイヌの人たちの人権の尊重や伝統文化の保存と伝承を支援します。このため、「伝統的生活空間」の早期整備を図ります。
また、生活や教育支援のための「ウタリ福祉事業」の継続と一層の充実を図ります。
〇外国籍定住者の権利の確保
外国籍定住者に対する制度的な不公平を是正します。公務員の採用については、「国籍条項」の緩和や廃止をすすめます。年金等の社会保障制度の適用のための環境を整備します。
参政権については、選択的地方参政権を保証します。また、国際人権規約に基づく責務を尊重するための国内施策の充実に取り組みます。
〇プライバシーの保護
情報化社会の進展と「通信傍受法」の制定等、国民の多くはプライバシーの確保に大きな不安を抱いています。このため、情報時代における個人情報の保護を図るための「個人 情報保護法」を制定します。また、インターネット型情報犯罪を防止するため、情報セキュリティーの確立を図ります。
21世紀の世界に求められているものは、人間社会の活動を「地球が持つ環境容量」内にコントロールのできる社会を創ることです。
このために民主党は、20世紀社会が歩んできた大量生産、大量消費、大量廃棄のライフスタイルを根底から見直し、不安のない「持続可能な未来社会」を確実にするため、環境保全や資源循環型社会のための制度やシステムを整備します。
世界に向かっては、環境管理のための国際協力や国際支援に貢献する日本の役割を担っていきます。
〇資源循環型社会のための制度改革
環境権や環境保全に対する社会の責任と環境教育の推進等のため、「環境基本法」を制定します。資源循環生産システムの促進にむけての指標や優遇措置、廃棄物の発生の抑制や廃棄物の生産者(保有者)責任を明示する「資源循環法」を制定します。 ダイオキシンや環境ホルモン等の化学物質排出に対しては、環境リスク低減のための制度や発生量に応じた課税(課徴金)制度の導入、自治体施設への国庫補助率の引き上げ等を行います。
〇省エネ、新エネなどの開発と普及
低公害や無公害車の開発普及、燃料電池の開発や風力・バイオマス等の新エネ普及のための支援施策や規制の緩和、コジェネレーションシステムや廃棄物発電システムの普及と制度化など、資源循環型社会のエネルギー需給体制をつくります。
〇自然環境の保全
地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨などのグローバルな環境問題については、国際条約で定められた二酸化炭素やフロンガスの削減目標達成のため、産業間の削減目標の明示や環境負荷に比例した環境課税を課すなど、石油関連税制を見直します。一方で、削減のための技術開発や設備の投資に対しての優遇措置を設けます。また、途上国への人的支援や代替物質への移行のための技術や財政支援を進めます。 自然環境の保全にあたっては、自然公園や湿地の保全、環境教育システムの確立、アセスメント制度を見直し生態管理や環境管理の徹底を図ります。また、河水生態系を保全するため、森林資源と一体化する保全システムを開発します。
〇多様なエネルギーの導入
原子力発電は、過渡的エネルギー源です。このため、過渡的期間中の稼動については、 安全確保を前提に情報の公開、環境監視、防災対策等に万全を期すとともに、脱原発の視 点に立ち、「北海道省エネルギー・新エネルギー導入促進条例(仮称)」を制定し、省エネ ルギーの促進やコジェネレーションシステムの導入、太陽光、風力、天然ガス等の多様なエネルギー源の研究・開発と利用の促進を図ります。
〇道民合意の泊3号機
泊原子力発電所3号機については、今後の本道のエネルギーの需給見通しや電源開発、 電源構成のあり方等を十分検討し、道民合意のもとに対応します。
〇放射性廃棄物の対応
幌延町における深地層研究所については、「放射性廃棄物の持ち込みを認めない条例 (仮称)」を制定する等、将来にわたって放射性廃棄物を持ちこまないことを担保する措置を講じながら、道民合意のもとに対応します。
〇非核・平和の北海道
「核兵器を搭載した外国の軍艦、軍用機の港湾・空港使用を認めない条例(仮称)」の制 定等、将来にわたって「非核・平和の北海道」にすることを世界と全国に向けて宣言しま す。
日本社会の土台を担ってきた教育がいま大きな曲がり角にさしかかっています。初等・ 中等教育の現場では、不登校、校内暴力、いじめ、学級崩壊などに直面し、また学力の急 速な低下も顕著となっています。その背景の一つとして、メディア情報などが氾濫する中 での、画一主義的で魅力の乏しい教育の実態があります。 日本がこれまで誇ってきた「教育立国」の裾野が崩れようとしています。 民主党は21世紀の新しい日本にむけて教育の改革を断行し、未来の担い手である子ど もたちが感受性や創造性豊かな人材として育っていく場としての「学校の再生」に挑戦し ます。
〇就学前教育の重視
子育てに関する社会的支援を充実させ、核家族化による子育ての孤立化や不安の解消にむけて保・幼一元化の体制を確立し、ここを拠点とした相談支援体制を整備します。また、 保・幼に対する国・地方自治体の支援の充実を図ります。
〇学校改革と分権
小中高校では、全国統一の必須科目だけを限定し、それ以外は学校ごとに独自の授業内 容を選択できるようにすることで、特色ある学校をつくります。また30人学級と複数担 任制の実現を図ります。
〇豊かな人間性を育む教育
豊かな人間性を育み、他国の人々や文化にも尊敬の念を払うとともに、ボランティア精神の大切さを学ぶ機会や社会模範や生活のルールを学ぶ機会を増やします。ボランティア等の実習が単位認定される仕組みにします。
〇生涯学習、スポーツの振興
公民館の活動の活性化を図り、公立図書館の一層の充実と大学等の学校図書館の開放を実施します。
また、健康維持増進のため、手軽にスポーツを楽しめる環境の整備を進めます。
〇伝統文化の保存・継承と多様な文化体験の場の整備
日本の伝統文化を保存し、その上に新たな文化を創造するとともに、文化財の保護、伝統芸能・工芸の継承、教育における体験鑑賞など、文化・伝統を保存するための環境整備を行います。
都市化や情報化等、社会の現代化は災害の質量を大きく変えています。また、原子力の利用など科学技術の進歩が、新たな「化学災害」の脅威をもたらしています。 一方で、組織犯罪や化学犯罪等が、現代社会への大きな病巣となっています。これに対する社会の対応は、災害の未然防止、予知体制、救援、被災者支援等、大きく立ち遅れています。このため、内閣の危機管理機能の強化と合わせ、危機管理体制の徹底見直しを図ります。
国、自治体、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの機関とNGO(*13)・NPO等の民間組織が、それぞれに機能と役割を分担し、分権の時代に見合った協力体制と情報伝達システムを確立し災害防止や災害出動、災害復旧体制の迅速化を図ります。
自衛隊の災害に対する役割や装備、災害出動要件の見直しを進める等、大規模災害や化学災害への装備と体制を見直し、危機管理体制を抜本的に改革します。被害者や犠牲者の救援制度の法的整備を図ります。
本道においても、「原子力災害対策特別措置法」の制度化にあわせて原子力防災計画を見直し、防災体制や防災器材等の充実等を強化します。
*13 NGO[non-governmental organization] 国際的な活動をする民間団体、国連の経済社会理事会から諮問的地位を与えられている非政府組織。
冷戦崩壊後のグローバル・パートナーシップ(*14)の課題は、地域紛争、飢餓と貧困、人権侵害、環境の破壊、国際テロリズム、難民、伝染病、麻薬、災害等、多岐にわたっています。先進諸国の経済や技術の協力、支援がこれらの課題解決のキーワードであることは当然です。
民主党は、わが国が世界の平和秩序の維持と環境や人権などの課題でリーダーシップを発揮する国家としての信頼醸成に努めます。
このため、新しい世界秩序の構築にむけ、効果的に対応し得るための国連改革を積極的に進めます。また、アジア太平洋地域の平和と安定確保のため、多国間安全保障対話の枠組みの構築にむけ、日ロ、日中、日韓の信頼醸成と東南アジア諸国連合等との緊密な関係強化に努めます。朝鮮民主主義人民共和国との早期国交正常化を促すため経済交流や人道支援を進めるとともに関係改善にむけ対話を図ります。アジア地域の安定にあたっては、米国の国益に偏ったものとならない自立と主体の外交関係を確立します。
ODA(*15)については、相手国ごとの目標・理念を明確にするとともに、民間協力に重心を移し、効率化と透明化を図ります。また、通常戦力の削減はもとより、一層の核軍縮を促すため、核保有国の削減義務の徹底を求めて行きます。人権確立のため未批准国の国際人権規約の批准につとめ、「人権後進国」の地位を払拭します。日ロの外交交渉を積極的に進め、平和条約の締結と領土問題の解決を図ります。このための環境改善にむけ、北方四島への人道支援や人的経済的交流に努めます。
*14 グローバル・パートナーシップ[global partnership] 地球規模で考え協力・行動する (提携国)。
*15 ODA[official development assistance] 政府開発援助。途上地域(途上国)の発 展を支援するための政府援助。
民主党は、冷戦構造で培われた軍事力、力による安全保障体制ではなく、信頼と協力による「安全保障対話」を重視します。日本の安全保障環境については、日米関係を基軸としながらも、わが国の国益や立場の相違を明確にし、対話を前提に主体的で自立的な関係をつくります。また、アジア太平洋諸国(地域)との信頼関係とわが国の役割を重視し、アジアにおける多国間協議の意思が反映できる安全保障環境の醸成に努めます。
わが国の防衛と防衛力のあり方については、憲法の平和主義のもと、(ア)個別的自衛権の行使を超えた海外での武力の不行使(イ)専守防衛の堅持(ウ)武器輸出三原則の尊重(エ)非核三原則の遵守等の原則に基づき、軍備の拡大はしません。また、新ガイドラインによる「周辺事態安全確保法」の運用にあたっては、「周辺事態」の認定を含め、わが国の主体性の確保を優先します。自治体や民間の協力については、自治体の権限と国民生活への配慮に細心の注意を払います。
在日米軍基地のあり方については、朝鮮半島安定後の極東における安全保障体制やアジア太平洋地域の安定確保にあたっての米軍の駐留の役割など、中長期的な視点で不断に見直しを求め、このための日米協議を進めます。また、日米地位協定の運用改善を求めて行きます。
沖縄の米軍基地については、その整理・縮小を一層進めるため、SACO(*16)の再協議を求めます。沖縄の振興については、沖縄の所得格差、高失業率克服のため一国二制度の導入など、国際交流県としての整備を図ります。 普天間飛行場の移転については、地方自治体や住民の意向、環境保全などとのバランスを大切にします。
米海兵隊による矢臼別演習場での移転訓練については、夜間訓練の中止や規律の厳正保持等、国と道等との間で道民の意向を反映した協定を結び、それが守られない場合には、即刻、演習の受け入れを拒否することとします。
*16 SACO[special action commitee for okinawa] 沖縄における施設及び区域に関する特別委員会。沖縄の米軍基地負担軽減を目的に設置した政府の対米交渉機関。
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