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堀道政の検証



はじめに

 堀道政は、95年4月、「非自民」の枠組みで誕生したものの、スタート当初の支持率は20%台と低いものでした。
 加えて、誕生直後に発覚した不正経理問題が大きく影響し、一時は道民からの支持率が10%台に落ち込むという極めて厳しい局面に至りました。
 このため、二期目の選挙では、「非自民」の枠組みをはずし、自民党の推薦も得て「オール与党」体制が構築され、堀道政の継続が図られました。
 しかし、まもなく官製入札談合問題が発生したことで、道民の信頼を再び損ねることとなり、支持率は低迷を続けることになりました。
 現在、堀道政の三期目続投を支持する人は、世論調査でみるかぎり、20%台の低水準に留まっています。
 こうした中で、このまま堀道政(堀知事)を続投させるのかどうか、の判断が問われています。
 以下、この判断材料として、「あるべき知事像」の視座から、この間の堀知事の政治姿勢と道政運営を振り返り、検証してみることとします。

(参考)堀知事の支持率推移
−北海道新聞世論調査結果報道より抜粋−


<1期> 支持 (不支持)
95年 7月 23.2 ( 9.8) 堀道政の誕生
95年11月 24.4 (23.4) カラ出張問題の発覚
96年 4月 15.0 (40.2) 道の不正経理11億円→21億円
97年 1月 20.3 (54.0) 道政改革フォーラム、民間副知事
97年 4月 14.6 (47.0) 不正経理の追加調査→35億円
97年10月 26.3 (48.7) 「時のアセスメント」6事業公表
98年 4月 29.6 (42.9) 拓銀破綻、道の情報公開条例施行
98年12月 34.4 (37.8) 事業の中止、苦情処理委員条例
99年 2月 30.0 (36.2) 堀道政一期目の総括
<2期>
99年10月 37.0 (25.8) 「放水路計画」中止、議会情報公開
00年 4月 33.4 (38.0) 官製入札談合問題の発覚
01年 4月 31.8 (37.6) 泊原発、幌延問題の決着
02年 3月 22.6 (45.4) 住宅供給公社、エアードゥ
02年 9月 26.0 (37.2) 行政基本条例

◎ 01年 7月「堀知事の続投を期待」21.6%「新たな候補を期待」
  61.8%
◎ 02年 3月「堀知事の続投を期待」23.8%「新たな候補を期待」
  64.6%
◎ 02年 9月「堀知事の続投を期待」21.6%「新たな候補を期待」
  68.4%


1.一期目堀道政の検証
 (1)堀「新道民党」知事の誕生
 1995年4月、堀知事は、非自民5団体(社会、民社、公明、新生、連合)の推薦を受けて誕生しました。「新道民党」を名乗った堀知事が目指したものは、「地方政府の確立」に象徴される分権改革(道政改革)の推進でした。
 このときの選挙で、道議会議員は、社会党議員が改選前の40名(前回選挙では42名)から35名に大幅に減らし、自民党議員は改選前の48名(前回選挙では53名)から51名となりました。また、公明党は6名、共産党は2名で現状を維持しました。
 (2)経過と総括
 一期目の堀知事の道政運営では、特に95年10月のカラ出張に端を発した不正経理問題が大きく影響し、支持率が急落しました。
この問題は、道庁において「カラ出張」や「官官接待」が永年に亘って組織的・構造的に行われ、その不正に経理された額は、今回判明しただけでも77億円の巨額にのぼるという、道政史上かってない大きな不祥事でした。
 道議会は、この問題の知事の対応を巡って紛糾し、94年度、95年度の決算を連続して不認定(否決)にしました。また、95年と97年の二度に亘って「堀知事を問責する決議」を採択しました。(97年の時は、自民党から「堀知事の辞職を勧告する決議案」が提案されましたが、民主党や公明党が反対し、この結果、僅差で否決されました)
 その後、堀道政は、この不正経理問題をバネとして、「情報公開条例の制定」はじめ、「民間副知事の登用」、「苦情処理委員の設置」、さらには「時のアセスメントの実施」など、全国に先駆けた自治体改革の取り組みを相次いで進め、支持率の回復に努めました。 他方、97年11月には拓銀が破綻して北海道経済は混迷状態に陥り、経済・雇用問題が道政の大きな課題に浮上してきました。
 こうした中で、民主党及び支持団体は、不正経理問題の発生は道政の信頼を損ねた大きな問題であったとしながらも、その後における前向きな自治体改革の取り組みを評価。二期目において道政改革の着実な推進とその効果を期待するとともに、拓銀破綻によって深刻化した本道の経済・雇用対策の推進を優先する観点から、堀知事の続投を支持し、推薦を決めました。
2.二期目堀道政の検証
 (1)「相乗り(自民党支配)堀道政」の誕生
 99年4月の堀知事の二期目の選挙は、民主党や公明党、社民党、自由党、連合北海道などが支持(推薦)団体となって進められました。しかし、今度は突然、自民党も堀知事を推薦する側に回り、道政史上初の相乗り選挙となりました。
 民主+公明+社民+自由、それに+自民という圧倒的な相乗りの構図にもかかわらず、選挙の結果、堀候補の得票は159万票(得票率55.3%)と前回選挙の163万の得票(58.3%)を下回りました。また、無効票は前回選挙に比べ42%も増加しました。
 選挙の結果、議会では自民党議員が改選前の50名から54名(その後に単独過半数の56名)に増加し、一方で共産党も2名から6名に増加しました。こうした中で、民主党は32名(前回選挙は35名)から34名(現在33名)、公明党は6名から5名となりました。
 当初、民主党や公明党、連合北海道などの支持団体は、堀候補の推薦にあたって「自民党を与党としない」ことを本人と確認し、一定の歯止めを期待したものの、二期目堀道政の運営においては、結果として自民党が議会の過半数を占める与党第1党として大きな影響力を行使することになりました。
 (2)経過と総括
 二期目の堀道政は、信頼される道政の確立と、拓銀破綻に伴う道内経済の立て直しが大きな課題でしたが、発足まもなく、農業土木事業に関わる官製入札談合問題が発覚。また、現職建設部長が収賄罪で逮捕されるという不祥事が続発し、再び道民から信頼を失うことになりました。
 公正取引委員会に関連資料を押収され、満足な確認調査が出来なかったことと併せ、一期目と異なり、共産党を除くオール与党体制にあって、この問題の発覚で知事の責任を厳しく問われることこそ免れたものの、堀道政における政・官・業癒着の利権体質が明らかになったことで、道民の道政不信、「堀離れ」は着実に進みました。
 また、道民世論を二分した泊原発3号機建設や、幌延町における深地層研究所設置について、堀知事が十分な道民合意のプロセスを経ないまま対応していったこと。さらに北海道護国神社の例大祭とセットになった全道戦没者遺族大会への対応や、在沖縄米海兵隊の矢臼別演習問題などへの堀知事の対応姿勢は、平和と民主主義を標榜する道民、民主党支持層の「堀離れ」を加速させることに繋がりました。
 一方、二期目堀道政は、官製入札談合問題を教訓として、全国に先駆けて「ランダムカット」の導入など入札制度の改善を進めました。
 また、北海道の構造改革構想(財政の健全化計画、公共投資のあり方、人材育成プランなど)の策定を進めるとともに、「時のアセスメント」の発展型である「政策評価条例」を制定しました。現在は、全国初となる「行政基本条例」の制定作業を進めるとともに、道政改革のテーマであった「道州制」の構想や「支庁改革」の構想・計画づくりに取り組んでいます。
 さらに、多額の赤字・累積債務を抱えて懸案となっている道営競馬や道住宅供給公社の経営問題などについて、結論を先送りしながらも一定の縮小・整理の方向性を打ち出すとともに、深刻化する道内の雇用問題はじめ、BSE問題や雪印問題の発生などにも対処してきています。
 しかし、北海道の経済・雇用は厳しくなる一方であり、公共事業依存型から自立型経済構造への転換は未だ展望が拓けていない状態です。
 構想や方針は策定しても、経済政策や労働政策を国に大きく依存した中で、道として有効な改革プログラムを打ち出すことも出来ず、道内の産業界・労働界には閉塞感が漂っています。倒産や失業者の数は戦後最悪とも言える状況となり、新卒者の就職口すら見つからない状況が続いています。
 道内の異業種交流グループが道民の出資を募ってスタートさせた「道民の翼」エアードゥは、当初は千歳ー羽田間の航空運賃引き下げ効果を発揮し、多くの道民から歓迎・期待されましたが、次第に大手航空会社との激しい競争の中で深刻な経営難に陥ることになりました。
 このエアードゥに対し、堀道政は道庁から社長を送り込むとともに多額の融資を行うなど異例とも言える手厚い支援策を講じましたが、一定期間の延命措置を講じるに留まり、結局は民事再生法の適用を受けざるを得ない状況となっています。
 また、道財政は、国が90年代に景気対策としての公共事業を地方に押し付けてきたことのツケが回り、これまでになく逼迫した極めて厳しい状況に追い込まれています。ちなみに、道民の借金である道債発行残高は、94年度末には2兆4千億円であったものが、01年度末には4兆7千億円にまで膨れ上がり、02年度末には5兆円を超える見込みとなっています。
 さらに、行政基本条例については、道案では一般的抽象的な理念を表したものに留まり、「道民の知る権利」や「道民の参加する権利」の記述もなければ、せっかくの「道民投票」についても、議会発議や道民発議の規定などが欠落した不十分なものとなっています。
 道政の主役は道民であるにも関わらず、主役を脇に置いたこうした行政基本条例(道案)では、全国のモデルになろうはずがありません。
 こうした中で、二期目堀道政の真価が改めて問われています。
3.まとめ
 今日、堀知事の三選問題がクローズアップされてきましたが、この問題を考えるにあたって、民主党北海道は@生活者の目線A国や官からの依存体質からの脱却B北海道から国を変える−を視点に据えて、21世紀北海道のめざす姿(北海道21世紀ビジョン)の策定作業を進めてきました。
 この結果、これからの北海道は、道政の信頼を回復する中で、国に軸足を置くのではなく、住民や市町村に軸足を置いた市民主体、地域主体の「地域(道)政府」を確立すること、公共事業依存型から北海道の特性を生かした民間主導の自立型経済構造に転換すること、NPOなど市民パワーに依拠した新しい地域コミュニティを構築すること−が必要である、等としたビジョン(骨子案)をとりまとめました。
 また、その「地域政府」を代表するあるべき知事像としては、@豊かな国際感覚と自治に対する高い理想のもとに改革(政策)を先取りする先見力A情熱を持ち、透明性の高い行政運営で公約(政策)の実現に指導力を発揮する実行力B平和や人権を重んじ、市民の目線で常に公正・公平性を貫く人間力(市民力)−に優れた人材が相応しい、ということを内外にアピールしてきました。
 この「ビジョン(骨子案)」と「あるべき知事像」について、民主党北海道は、本年6月から8月にかけて、全道9ヶ所でビジョン・トークを開催し、約2.500名の道民と真剣に議論を重ねてきました。また、参加者にはアンケート調査を実施し、その意向の確認に努めました。
 アンケート調査の結果、堀道政の評価については、「まあまあ評価できる」と肯定的な回答を寄せた道民は25%に留まり、「あまり評価できない」と否定的な道民が65%を占めました。また、相乗り道政については64%が「議会のチェック機能がなくなる」として、否定的な見方を示したところです。
 こうした取り組みをもとに、この間の堀道政を検証した結論としては、不正経理問題や官製入札談合問題の発生によって、道民からの信頼が大きく損なわれたものの、そのことをバネにした道政改革への積極的な取り組みについては評価されるべきものです。
 しかし、特に二期目の堀道政は、自民党との相乗りの中で知事の政治姿勢と道民との間に乖離が生じ、求心力が失われることになっています。また、北海道の自立型経済への転換や、道政の主役である道民との対話などについては、不十分と言わざるを得ないものです。


北海道「21世紀ビジョン・トーク」アンケート調査結果

1. 民主党北海道は、本年6月から8月にかけて、全道9ヶ所(稚内、旭川、岩見沢、中標津、帯広、北見、函館、苫小牧、札幌)において、北海道「21ビジョン・トーク」を開催した。
2. この「ビジョン・トーク」においては、民主党北海道が大会で決定した「あるべき知事像」とともに、21ビジョン策定委員会が8回に及ぶ研究会のもとに
策定した「21ビジョン(骨子案)」について、道民参加のもとで討論した。
3. 会場に参加した道民は、全道で延べ2.500名を超え、このうちアンケート調査には、約6割の1.444名から協力が得られた。
会場別では稚内4%、旭川23%、岩見沢15%、中標津13%、帯広6%、北見6%、函館5%、札幌12%、苫小牧12%となっている。
4. 男女の別では、男86%、女14%。年代別では、10代1%、20代8%、30代16%、40代26%、50代23%、60代以上25%。
職種別では、農林漁業10%、自営業3%、会社員13%、会社役員4%、公務員41%、学生・自由業1%、専業主婦3%、無職13%、その他11%。
5. 参加の感想について聞いたところ、「まあまあ面白かった」78%、「あまり面白くなかった」20%
骨子案の評価については、「同意できる」47%、「同意できない」5%、「回答なし」47%。
あるべき知事像の評価については、「同意できる」75%、「同意できない」13%、「不明」12%
6. 堀道政7年間の評価については、「大いに評価できる」1%、「まあまあ評価できる」24%、「余り評価できない」54%、「全然評価できない」11%、「不明」10%。
相乗り道政について、「議会が安定するので良い」10%、「議会のチェック機能がなくなる」65%、「その他・不明」25%

「評価できる」理由ー「時のアセス」、「日高横断道」
「〃できない」理由−「顔が見えない」、「調整型」、「自民党寄り」、「泊3号機」









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