第四回定例道議会報告
2006.12.14
道議会民主党・道民連合議員会

 第4回定例道議会は、11月29日(水)に開会、18年度補正予算案、北海道青少年保護育成条例改正案、日豪FTAに関する意見書などを採択し、12月14日(木)に閉会した。
 わが会派は、代表格質問に岡田篤(釧路支庁)議員が立ち、知事の政治姿勢、地方財政、北海道における自治のすがた、夕張市・産炭地域問題、季節労働者対策、日豪FTA交渉への対応などについて質疑を行った。
 また、一般質問には、保村啓二(網走支庁)、木村峰行(旭川市)、星野高志(札幌市東区)の3議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。



主な審議経過について
採択された決議・意見書
一般質問の要旨
委員会等における主な質疑
当面する課題と会派の対応


.主な審議経過について

 高橋知事の再選出馬表明もあって、高橋道政4年間の検証や今後の財政運営などが焦点となった。知事は公約は達成したとしながら、その具体論については、「芽が出た」等の言葉を多用し、自ら成果があがっていないことを認めざるを得ない答弁を繰り返した。

 今後の財政運営では、国の地方財政方針待ちの答弁に終始、さらに会期中に、本道農業・地域経済に壊滅的な打撃を与えかねない日豪FTAの交渉入り、同様に地域経済に大きな影響がある季節労働者対策の切り下げ方針などが相次ぎ判明し、こうした課題への対応が論議となったが、「動向を見極める」「国に要請する」との知事答弁ばかりが続いた。

 会期は、当初予定より1日延長となった。一般質問で、自民党会派が、道人事委員会の採決をめぐる質問で答弁が不満として、丸1日空転させたことによるもの。自民会派は予算委員会でも人事委員会の決定の内容について、不満との趣旨の論議を重ねた。会派は、行政委員会に議会が介入するかのような、こうした議論の進め方には問題があると指摘、今後の議会運営委員会等での対応を求めた。

 なお、可決された補正予算は、一般会計336億6400万円、特別会計647億100万円の合計983億6500万円。10月の低気圧関連の災害復旧費、被災漁業者への融資の利子補給、端境期対策のゼロ道債、工業用水道の経営健全化対策経費などが盛り込まれた。これで、18年度の道予算規模は、一般会計2兆7972億円、特別会計6776億円の合計3兆4748億円となった。

UP


.採択された決議・意見書
は政審発議、は委員会発議)

地域医療体制の確保を求める意見書
障害者自立支援制度の充実を求める意見書
労働法制の見直しに関する意見書
私立専修学校に対する財源措置に関する意見書
法テラスを中心とする総合法律支援体制の整備と充実を求める意見書
国際刑事裁判所条約の批准を求める意見書
日豪FTAに関する意見書
WTO農業交渉に関する意見書
灯油の安定供給の確保と価格の安定を求める意見書
リハビリテーションの改善を求める意見書
ウイルス性肝炎対策の充実を求める意見書
森林・林業政策の充実と新たな財源措置を求める意見書
* 会派は、「米軍戦闘機訓練の移転に反対する意見書」を提案したが、自民会派、公明会派の反対で否決された。
UP


.一般質問の要旨
は質問者発言、は答弁者発言)
岡田 篤(釧路支庁)

(1)再選出馬表明について
唯一示した「頑張る人に希望を」とのキャッチフレーズは、何を言わんとしているのか。
地域で頑張っている中小企業やNPO、住民の活動を応援したいとの観点から述べた。
支援する政党があれば支援をもらうと述べたが、幅広い道民に立脚すべきではないか。
一党一派に偏ることなく、道民本位の立場で道民と協働しながら力を注ぐ決意であり、思いを同じくする人とともに新たな北海道づくりを進めたい。

官製談合に係わって首長の不祥事が相次いでいるが、根底には選挙をめぐる関係が指摘されている。知事後援会幹部の構成は道内経済界幹部が中軸だが、業界・業界団体との関係についての所見は。

考えや政策に理解・協力するという人々から支援の申し出があれば、節度やけじめをもって受けたい。
(2)地域や道民生活の疲弊について
有効な経済・雇用施策が打たれなかったため、道内は雇用劣化・地域疲弊している。3年半の経済・雇用施策の取組みが遅々たるものであったのは何が欠けていたと分析しているのか。
民間設備投資の増加や新産業の集積、自動車関連産業の進出など芽が出てきているが、道半ばであり、道筋を確実なものにするため挑戦を続ける必要がある。
道は財政立直し路線で、医療費助成や難病対策、道立福祉・医療施設の移譲等から先行させてきた。子育て支援を公約にした知事が、今度は道立中央乳児院の民間移譲を強行しようとしているが、道立で施設整備・施策強化を図るべきだ。
民間担い手が十分形成されており、新たな運営は社会福祉法人によることが適切。移譲に当たっては、養育内容やマンパワーの確保など機能の充実に努める。
(3)地方財政のあり方について
来年度の地方交付税の見通しは。
骨太方針2006で、現行法定率の堅持と適切な対処を謳っているが、先の財政制度審議会が19年度以降の特例的減額を提言するなど厳しい状況に変わりない。現在予算編成中であり見通すことは困難だが、あらゆる機会を通じ総額の安定的確保を強く主張する。
道や道内自治体は臨時財政対策債に頼らざるを得ない実情だが、来年度以降の取扱いの見通しは。
19年度以降の取扱いは、今後の地方財政対策の中で示されていく。
総務省が示した新型交付税の試算方針による、道及び道内市町村の影響額の見込みは。
18年度算定を新型で置き換えた場合、道が5億円、市町村で27億円程度の減少となった。
地方交付税に、頑張る地方応援プログラムという枠組みを持ち込もうとすることへの所見は。
具体的な制度設計は明示されていないが、地方団体の自主性や安定的な財政運営に十分配慮すべきと考える。
地方財政負担を伴う施策が乱発といっていいほど打ち出されており、決定時に自治体は意見聴取の対象でしかない。国の施策の進め方に対する所見は。
地方分権改革は自主性や自立性を高めるものでなければならず、地方事務に対する国の関与や義務付けの大幅な縮小と、国の政策立案の際にも地方の意見を反映させる仕組みが必要。地方六団体とも連携し、国との役割分担の明確化を強く求めていく。
政府資金による地方債残高94兆円のうち、3%が年利7%以上、6%が年利5.5〜7%としているが、これに相当する道債残高、道内市町村残高は。道は国に高金利地方債の繰上償還に伴う補償金の減免を要望したが、補償金そのものの廃止を求めるべきだ。
年利7%以上の地方債残高は、道が122億円、市町村1747億円。年利5.5%〜7%分は道が718億円、市町村が3065億円となっている。繰上償還に伴う補償金の減額や免除は財政健全化に向け一定の効果があると見込まれる観点から、要望した。
(4)今後の道財政運営について
新年度当初予算は知事選を控えた骨格編成となるが、編成への所見は。
新たな行財政改革の取組みを掲げた緊急対策の着実な実施を基本に、選択と集中の視点に立った見直しに取組む。国の地方財政対策や道内の経済動向にも十分留意しながら、道政運営の基本経費を中心に、実施時期を勘案しながら編成したい。
北海道版市場化テストに取組むというが、道の業務に対象たり得る事業があるのかという点から疑問だ。取組むならば官民競争入札にどう応じるのか、敗れた場合の組織のあり方など具体的な対処策は。
民間事業者落札の際の組織のあり方については、職員の配置転換を基本にするが、国の取組みも参考に対処する。モデル事業の実施内容を検証しながら20年度の本格実施に向けた取組みを進める。
(5)道州制について
地方公聴会での知事の意見陳述で、反対していた首長が賛成に転じたと発言したが、事実関係は。また、法案が北海道の武器となるとも述べたが、その真意は。
ある町長が「当初は移譲項目が小粒で意味がないと思ったが、段階的に進めることが重要であり、最近は賛成論者」という趣旨の発言を紹介した。法案は、独自の施策を総合的に展開するため、権限委譲など手立ての一つとして活用できるという意味で述べた。
知事は法案成立後直ちに第2第3の提案をすると発言したが、提案の中身・考え方は。
地域特性や資源を活用し、経済活性化や道民生活向上を図る観点で、道民と幅広く意見交換・対話し、提案を検討したい。
未だ道民の十分な理解を得ていないと道自らが認めざるを得ない状況下で、第2第3の提案への道民合意形成を、具体的にどういう手段で進めるのか。
議会はもとより市町村や経済団体など、道民から幅広く提案や意見をもらい、オープンに議論した上で国への提案を取りまとめる。
TM(タウンミーティング)でのやらせ質問・報酬提供が大きな問題となっている。稚内でのTMでも、道が内閣府の要請により発言候補者を推薦していたことが明らかになったが、道や地元自治体の関与をどのように把握しているのか。
道は地域づくりに取組んでいる人を推薦したが、発言内容に関する特段の指示や依頼はなかった。稚内市に対しても国から同様の依頼があったと承知。
(6)市町村合併について
道内180自治体を60に再編するという道の構想について、地域から過疎化進展の懸念や生活圏とかけ離れているとの根強い反発がある。
組合せは、生活実態等の客観的基準を基に作成しており、議論の出発点としての活用を期待している。検討の結果、構想と異なる組合せでの協議の場合は自主性を尊重する。
構想は、広域連合・広域連携との整合性を明らかにしていない。各地域での現在の取組みを否定することになるのではないか。
構想で広域行政と合併が二者択一の関係ではないとの考えを示しているが、足腰の強い基礎自治体を創るためには市町村合併が最も有効な手段であると考えている。
(7)支庁制度について
16年度に保健所と土現を支庁に統合、18年度には支庁体制・機能を再編したが、各地域の実態と適合しているのか疑問だ。検証はどうなっているのか。
統合により一体的な地域行政の推進が図られる一方、支庁と出先機関の所管区域の違いにより支庁長の権限が十分発揮できない等の課題もある。組織の再編ではより横断的・効率的に業務執行ができるよう体制整備を進めている。今後、支庁所管区域の再編等で支庁長のもとで総合性が発揮できる体制となるよう検討を進める。
19年度に支庁設置条例を改正し20年度に新支庁に移行するとしているが、根拠とされる道州制・市町村合併は議論すら一向に進んでいない。整合性と住民合意への所見は。
進展の度合いは異なっていても、できるところから取組んでいくべきものと考える。引き続き議会議論はもとより市町村や道民の意見を十分聞きながら、検討を進める。
知事は全国知事会で、支庁はそのうち全廃、過程で統合することを念頭に支庁制度改革を進めていると発言したが、真意は。
支庁機能は市町村合併や事務・権限移譲等の進展に伴い順次縮小し、将来的には最小限の業務を担うとする、改革プログラムの考え方を話したもの。過渡的改革としての支庁再編に当たっては、住民サービスの低下を招かぬよう対応する。
6生活圏域では道央圏ばかりが肥大化し、他の圏域での有効な地域振興策は進んでいない。支庁再編の具体像の提示と、新しい長期総合計画づくりとの整合性は。
計画推進上の圏域設定は必要であり、基本的な考えを骨格素案に盛り込んだが、議会議論や有識者・市町村の考え、調査を進めながら検討を深める。支庁の所管区域は総合計画で設定する区域との一致が望ましいと考えている。
(8)夕張市問題について
財政再建の基本的枠組み案に対し総務大臣が不十分と述べた。策定作業は道派遣職員の主導で進められたことを踏まえての、知事の認識と総務大臣の姿勢に対する見解は。
市民や市職員への十分な説明で、理解・協力を得ることが重要。総務大臣は徹底した見直しが必要との趣旨で発言したものと受け止め、市民生活等の影響を最小限に止めながら再建が着実に行なわれるよう、市への助言・協力と国との協議・調整に取組む。
地域コミュニティが崩壊しては元も子もない。地域維持・再生のためにの支援策を早急に示すべきであり、国に対しても求めるべきだ。
職員派遣や短期貸付制度創設等を行なっており、当面の雇用対策や公共事業の前倒し、市民活動支援を行なう。来年度で更なる支援策を検討する。国に地方行財政対策の一環として要望しており、再建計画の計画的・安定的な推進に向けた支援策も求める。
(9)産炭地域対策について
旧基金取り崩しを認めてもらうために出した産炭地域対策継続断念の文書は理解し難く、提出を主導した知事の責任は極めて重い。他地域の産炭地域との議論経過は。
釧路産炭地域の自治体を訪問し、経過や道の考えを説明・理解を求めたほか、旧基金取り崩しに関する要望等を聞き制度改正に向けた取組みを行なってきた。道外産炭地域においても、国に対し旧基金取り崩しを要望し制度改正の準備を進めている。
産炭地域が抱える問題は、旧基金の取り崩しによって解決できる問題ではなく、今後も毅然として国に求めるべきだ。道としては今後の産炭地域対策をどう進めるのか。
旧基金の集中的・効果的な活用で、産炭地域振興の仕上げとなるよう努めるとともに、地域特性を活かした振興策を検討し、必要に応じて国にも要請する。
地形条件等が夕張に類似した歌志内市、上砂川町の財政が逼迫している。基金取り崩しへの対処と今後の財政運営についてどう把握し、今後どう対処するのか。
両市町は既存施設を活用したプロジェクト事業等を検討しており、道は事業の必要性や規模・事業費の妥当性について協議している。また、両市町ともに行財政全般の見直しを行ない、財政健全化を確実に進める自主的計画策定に向け作業を進めており、道は助言・協力をする。
釧路炭鉱炭鉱技術移転5カ年計画が今年度までだが、来年度以降の事業継続の見通しと、事業の地域における意義をどのように認識しているのか。
海外炭の安定供給に役立つほか、地域経済活性化や雇用安定にも大きな役割を果たしている。経産省の概算要求でポスト5カ年計画を求めており、今後も事業の円滑な実施に向け国に働きかける。
(10)雇用対策について
労働者の格差問題をどう認識し、対策を講じようと考えているのか。労働関係法の見直し問題に対する認識は。
非正規労働者の増加には雇用形態や就業意識の多様化等が背景にあると考え、事業主は法令順守に加え就業の実態、正規雇用者との均衡等を考慮することが重要であり、ハンドブックや労働相談のほか、新たにパート用ハンドブック作成やアドバイザー派遣を行なっている。労働関係法の見直しは国の審議会で検討されており、検討状況を関心を持って見守る。
高校新卒予定者の就職内定率は、9月末段階で全国48.4%だが道内は18.5%と極めて深刻だ。若年者の雇用対策にどう対応するのか。
ジョブカフェにてのカウンセリングやセミナーのほか、フリーターを対象とした就職面接会等で若年者の雇用促進を図ってきた。とりわけ新卒者の就職促進のために経済団体や事業主への求人要請と就職面接会を実施しており、今後も経済団体や教育機関と連携して取組む。(知事)
引き続き知事部局や道労働局と連携し、経済団体等への要請活動のほか、進路相談員による求人開拓や学校への求人情報の提供を一層推進し、全力で支援する。(教育長)
道はジョブカフェ継続の方向を打ち出しているが、財政が厳しい中、具体的にどのように事業を継続するのか。
国の施策の活用を積極的に図る一方、これまでの事業の評価・見直しで効果的・効率的な事業が展開できるよう検討する。
(11)季節労働者対策について
道内約350億円支給されている特例一時金が削減されれば、季節労働者ばかりでなく道内経済への影響が深刻となることは明らかだ。現行50日分支給存続に向け早急に取組むことが重要であり、決意を含めた知事の所見は。
30日分との方向から当面の間40日分給付とする措置が盛り込まれたことは、一定の理解が得られたと受け止めている。今後も、通年雇用の促進に全力で取組む。
通年雇用促進支援事業の来年4月からの実施に向け、道の積極的な取組みが求められているが、どう対処していくのか。
事業内容等について国と協議をしているが、道としては冬季間の仕事確保など事業が円滑に実施でき実効が上がるよう、市町村や関係機関と十分に協議をする。
(12)一次産業対策について
日豪FTA交渉について最終調整に入っているが、農水省は米麦・乳製品・牛肉・砂糖などの関税が撤廃されると、影響額は4300億円と試算している。知事の北海道農業や経済影響についての認識は。地域産業・経済が一挙に崩壊するFTA締結は認めるべきではなく、知事は北海道の明確な姿勢を示すべきだ。
関税撤廃による本道の影響は道内産出額の4%相当・1兆4千億円となり、甚大な打撃を与えることから、国に対し慎重な対応とそれら品目を例外とするよう強く申し入れた。
国は農地・水・環境保全対策として農地の半分を対象とする303億円の予算措置を講じたが、道の取組方針は。市町村要望は25万ha、必要な道財政は14億となるが十分な財政措置を講ずるべきだ。
要望内容を精査しているところであり、地域実情を十分勘案し適切に対処する。財源確保のため市町村と連携し、十分な地方財政措置を国に強く要望する。
(13)医療・福祉対策について
診療報酬改定により地域医療は一層深刻な状況にあるが、知事は国に追随する姿勢を続けている。20年度からの次期医療計画を待つこともできないほどの危機的状況だが、道は具体的にどう取組もうとしているのか。
医育大学の地域枠や奨励金制度の創設、自治体病院の広域化等について年度内に方向性を得、来年度から具体的取組を進めるほか、公的病院への財政措置の充実や診療報酬の適切な見直しを国に要望する。
スタート間もない障害者自立支援法は、相変わらず多くの課題が指摘されているが、知事は就労支援強化のみを語り、負担軽減のための独自支援措置を否定している。負担軽減のための支援こそ急務だ。
障がい者が地域生活を営む上で所得確保は重要と考え、国に対し利用者負担に対する一層の配慮を要望するとともに、就労支援を積極的に推進する。
地域支援センターの設置時期や事業内容、必要なサービス体制の整備状況をどう把握しているのか。地域間格差を生じさせないための対処方針は。
大部分の市町村は今年度中に事業を実施する見込みだが、利用希望者が少ないこと等から、まだめどが立たないとの回答もある。センターの広域的利用や小規模センターの設置等、地域実情に応じた事業が実施できるよう適切な助言を行なう。
(14)情報公開のあり方について
指定管理者選定に関する委員会の議事内容を録音したテープの消去・廃棄が明らかになった。会議録作成のためのテープは公文書ではなく情報公開の対象ではないとの内部通達を根拠としたが、情報公開の精神に照らし、内部通達の是正を図るべきだ。
最高裁判所にて会議テープも開示対象と判断されたが、会議録が作成されていない段階の取扱いであり、直ちに通達を改正する必要はないと考える。
(15)千歳への戦闘機移転訓練について
沖縄の負担軽減・痛みの分かち合いであったはずのものが、全国の沖縄化というべき危険の分散・移転に変質している。明確な受入拒否を表明すべきだ。
これまでの経過や千歳・苫小牧両市長の思いから、受入はやむを得ないと考える。地元の意向を国に要請するために、道としての役割を果たしたい。
(16)教育課題について
市教委及び空知教育局、道教委の、滝川市における自殺事件への対応が極めて不適切だったことが明らかになった。何が問題であったのか、どのように受け止めているのか。
市教委がいじめと判断するまで時間が要したのは、児童の気持ちになって考えるという基本的な配慮に欠けていたと聞くが、道教委として、より積極的な対応をすべきであった。今後は報告体制やチェック体制を再確認するとともに、一層敏感に職務に当たるほか、市町村教委に対し迅速かつ的確な指導・助言を行なうなど、全力で取組む。
いじめを苦にした自殺が全国に相次いでいる事態をどう受け止め、当面対処するのか。
学校現場のみならず家庭や地域社会でも、心のサインを敏感に受け止め、早期に対応することが重要。関係機関相互の連携を一層密にし、いじめ問題の防止に取組む。(知事)
いじめは絶対に許さないとの共通認識の下、学校・教育委員会と家庭・地域、関係機関等が緊密に連携し対処しなければならないと考える。道教委は継続的にフォローする体制づくりや各校配布のチェックリストの有効活用に努めるほか、対応マニュアルの作成・配布などで、相談体制の充実に努める。(教育長)
全国で高校の履修漏れが確認され、本道でも47校7642人に上ることが明らかになったが、教育課程に基づいて授業を受けた生徒は釈然としない思いに違いない。知識偏重の学力観や入試のあり方、指導要領体制の問題が浮き彫りになったが、根本的に改善しない限り問題の解決はないと考えるが、教育長の見解は。
学習指導要領の、調和の取れた育成と、能力を十分伸ばす教育展開を目指すとする基本的な考えは今後も継承するべきと考える。今回の件は大学入試制度とのかかわりも背景の一つと考えるが、現在、国において学習指導要領の見直しが行なわれており、今後の動向を注視する。
3間口以下は統廃合の対象とする、新たな高等教育に関する指針を適用すると、教育を受ける権利を阻害し、教育格差を拡大するものだ。3定で教育長は、改めて地域の意見を聞き計画案を取りまとめると答弁したが、具体的な計画案づくりの状況は。
19会場にて意見を聞いており、地元で進学したい子の選択肢を減らすなとする意見の一方、適正な規模での教育が必要との意見もあった。今後も年内をめどに順次開催し、意見をまとめるとともに、全道規模の教育関係者との意見交換等も踏まえ、具体的な高校配置計画案の策定に取組む。

<再質問>
(1)再選出馬表明について
105の公約は達成できると言ってるのだから、再選出馬表明に当たっては新たな政策を道民に示すべきではないか。知事は自助・共助は言っても公助を決して言わないが、頑張っても報われない人や弱者・弱い地域をどう支えていくのか。
めざす北海道の姿や政策は今後示したい。本道が自立的・持続的に発展するためには官民の協働はもとより、道民の能力を結集し協働による取組みが不可欠と考えており、社会全体で支えあいながら暮らせる北海道づくりを進めたい。
業界や業界団体からは、節度やけじめを持って支援を受けるとの答弁だが、他県では選挙に絡んで不祥事が続出している。知事の支援者には業界・団体が見え隠れしている。
道民の誤解を招くことのないよう、公明と公正を旨に適切に対応したい。
(2)経済・雇用施策の評価について
記者会見で現在の有効求人倍率0.58をバブル期のと比較して、そんなに悪くないと述べたが見識を疑わざるを得ない。その真意は何か。
人手不足と言われたバブル期ですら0.7倍に届いていないということであり、これは公的需要への依存度が高い北海道の産業経済構造に起因するもの。バランスの取れた産業構造へ転換することが重要との認識を示した。
(3)頑張る交付税について
知事はこれまで交付税の有する財源保障機能や財源調整機能の堅持が必要だと答弁しているが、頑張るという観点を交付税の中に取り入れる発想についての見解は。
知恵と工夫にあふれた地方を実現するとの考えは重要と考えるが、地方交付税改革に当たっては財源保障機能や調整機能が損なわれるようなことがあってはならない。
(4)道州制について
道州制特区推進法で第2第3の提案を行なうという制度化がされると言うが、実現する担保はないのではないか。
新たな提案は道議会の議決を経てするものであり、北海道知事が参与の身分で参画し、国と同じテーブルで議論するという新たな仕組みを活用して、道の考えを主張する。
TMで1名推薦したことを当然のことのように答弁したが、地方公聴会と異なり、TMとはそのようなものではない。
発言者を事前に決めるやり方は、今一度、検討・見直しを行なう必要があると考える。
発言者の選定基準は。国は推薦基準を示したのか。道は基準を作成しているのか。
国から推薦基準は示されていない。道も基準を作成しておらず、テーマを踏まえ地域活動等で活躍している人を、本人の了解のもと推薦した。
道外では大都市での開催だが、道内は稚内市のみだ。道州制TMは北海道にとって大きな関わりのあるものであり、人口集積地での開催も働きかけをすべきではなかったのか。
TMは様々な政策テーマを国民と広く意見交換を行なうために開催されるのもであり、稚内での開催もこのような観点で国において選定されたものと考える。
(5)夕張市・産炭地域問題について
知事が主導して提出した誓約書は、夕張以外の4市1町に対しても道が助言し、各市町は道の助言を踏まえ行財政改革への一層の取組みを進めるという表現。地方自治の本旨に反するものだ。なぜこのような文書を国に提出したのか、知事の真意は。
道と5市1町がそれぞれ自らの決意を明らかにする必要があるとの考えで、報告した。
更に問題なのは、新たに追加財政支援等を国に求めないとしたことだ。釧路産炭地域にも適用されるが、事前に各自治体への説明・了解を取り付けた形跡がない。
国への文書提出後に、関係する市や町に経過等を報告し、理解を得た。
国に対し求めないと約束した以上、道の責任で基金の取り崩し以降の産炭地域対策を行なうのは当然と考えるが見解は。
旧基金の集中的・効果的活用で、産炭地域振興の仕上げとなるよう努力するとともに、地域の特性を活かした地域振興策を検討し、必要に応じ国に要望するなど、自立に向け努力する。
(6)雇用対策について
ジョブカフェ事業を継続するとの答弁だが、具体性がない。予算規模・事業内容は。
カウンセリング・セミナーやネットワーク機能の維持を基本に、他県の取組みも参考にして、具体的な事業内容等について検討を進める。
季節労働者の特例一時金の見直しやむなしとの答弁は、怒りを禁じえない。知事は削減の影響をどう捉えているのか。道の責任で影響を回避する具体的政策を持っての答弁なのか。その政策はどのようなものなのか、明確な答弁を求める。
冬季増嵩経費措置事業や機動職業訓練等に取組むとともに、国が示した季節労働者対策の活用に努め、関係機関との連携のもと通年雇用の促進に全力で取り込む。
通年雇用促進支援事業は来年度早々、道の財政支援等を固めなければならない。道独自の短期就労事業も関係団体からも求められているが、どのように取組むのか。この事業に組み込まれない季節労働者に対する支援はどうするのか。
国の通年雇用促進事業と道の対策の連携を十分図りながら、実効が上がるよう積極的に取組む。通年雇用に至らない季節労働者についても、きめ細かい就労支援に努める。
(7)一次産業対策について
日豪FTAは本道存続の危機とも言うべき非常事態であるのに、知事は国の動向を注視するという全く人ごとのようだ。農産物の関税総額と都道府県別分配実績を明らかにするとともに、北海道の影響額をどう補填するのか具体的戦略を明らかにせよ。
農産物課税総額は現時点で明らかでないが、今は本道主要品目の関税撤廃阻止に全力を尽くすことが重要であり、今後も関係団体と一体になって国に強く働きかける。
農地・水・環境保全対策で、地域の不安・不満の原因である財源確保について、国へ財源措置を要望するとの答弁だ。道としての財源措置の姿勢を明らかにすべきだ。
国に十分な地方財政措置を要望しており、その動向を見ながら適切に対処したい。
(8)医療・福祉対策について
地域医療瓦解の危機であり、身近で適切な医療を受けることが一層困難になることが明白である以上、直近の取組みを具体化する必要がある。
これまでも地域の医師確保に向け、様々な取組みを行なってきている。国に対しては引き続き、診療報酬の適切な見直し等について強く要望する。
障がい者が自己負担に苦しみ、福祉関係者も対応に苦慮している現実は、理念と実態が大きく乖離していることを露呈している。にもかかわらず知事が制度の欠陥を認めないのは全く理解できない。就労支援の充実を訴えるだけではなく、多くの都府県、政令市が工夫して取組んでいるように、道も独自の負担軽減策を実行すべきだ。
制度の一層の充実が必要と考えており、引き続き必要な意見や要望を国に伝える。


<再々質問>

(1)季節労働者対策について
特例一時金制度が残ったから良いと言わんばかりの答弁だ。生活や地域経済をぎりぎりで支える50日確保を示すべきであり、そうでないのならば季節労働者や地域への打撃をどう克服するのかを早急に明らかにすべき。
給付水準が見直されたものの、一定の理解が得られたと受け止めている。国の通年雇用促進事業と道対策の連携を十分図り、実効が上がるよう積極的に取組む。通年雇用に至らない季節労働者についても、地域実情を踏まえたきめ細かい就労支援に努める。
(2)日豪FTA交渉について
この問題は、経産省と農水省の力関係でもある。経産省出身の知事として、しっかり道民世論を喚起する必要があるがどう取組むのか。
影響は甚大であり、本道農業の主要品目の関税撤廃阻止に全力を尽くすことが重要。今後も道内経済団体や消費者団体等と一体となって、国に強く働きかける。

<指摘>
(1)地方財政問題について
新型交付税だけでも不利な条件克服をどう認めさせるかで地方は四苦八苦している中で、「頑張る」という言葉で国が一方的に自治体を差別化しようということは、分権の本旨にも交付税の本旨にも反するものだ。上下主従の関係を打破するために、道は国と対峙していくべきだ。
(2)地方分権について
知事の進める支庁制度改革に自民党会派から異論が出たと報じられたが、道民への説明を怠り、地域意向を受け止めずに進めるから、こういうことが起きるのだ。市町村合併も道州制も同様、わが会派が指摘を重ねているよう、道民との協働・道民意向の把握をしっかり行なうべきだ。
(3)夕張市・産炭地域問題について
夕張市は予想を上回るスピードで地域崩壊が進行していると言わざるを得ない。再生は市当局の努力のみでできないし、現行法の範疇でも不可能だ。道の責任で、具体的な支援を早急に実施すべきだ。
旧基金に対する誓約書問題は、盛り込まれた精神を問うたのだ。政権交代時の急激な動きは、道や5市1町の自発的なものではないはずで、釧路地域への対応が事後了解であったことが証明している。ここにも地域を大事にしない知事の姿勢が端的に現れている。地域の維持・振興を市町村や住民と一緒に取組むべきだ。
(4)医療・福祉対策について
子育て支援を公約にしていた知事が、道立中央乳児院の民間移譲を進めるとの答弁繰り返しだ。乳児院は道内2ヶ所しかなく、民間ノウハウが形成されているとは言えない施設であり、財政面から強行する姿勢は認めがたい。
地域医療、障害者自立支援法への対応も国に対する要望で終始している。道民の実態を正しく国に伝えるのは勿論、国の枠組みでカバーしきれない道民や地域への対応を、道としてしっかり行なうべきだ。
(5)いじめ問題について
知事が発したメッセージは「相談する勇気と生き抜く力を持って」というもの。誰にも相談できず、生き抜いていく力が持てないからこそ助けを求めてきた子どもに対し、他人事・心がこもっていないとの声が上がっている。知事は、頑張る人・地域を応援すると言うが、頑張りたくても頑張れない人達に手当てを講じるのが政治の役割だ。カウンセラー等専門家や教員の大幅な増員、学級定員の引き下げ等、本気で取組むべきだ。

UP
保村啓二(網走支庁)

(1)農政改革の評価について
道内の農家戸数・就業者数は減少が続き、作付延べ面積と粗生産額は微減傾向で推移し、農畜産物価格は下落が続いている一方で、農業資材価格や主な工種の事業単価は上昇傾向にあり、農業・農村の構造や経済環境を示す指標は悪化傾向にある。知事はこのことをどう受け止めているのか。
5ヵ年の推移で耕地面積は4ha拡大し20haと大規模化が進展し、農業生産法人が500増え2300となるなど、大規模で専業的農家が育成され、農業産出額も1兆円台で推移している。また多様な農業が展開されており、地域経済を支える重要な役割を果たしている。
道はこれまで農業負担の軽減を図りながら、農業農村整備事業の計画的な推進いわば投資型であったが、このことに対する認識は。
ウルグアイ・ラウンド合意以降、体質の強い本道農業を確立するため整備事業の推進に努めており、労働時間の減少や農産物の安定生産、新規作物の導入や担い手への農地利用集積が図られ、本道農業の発展に大きく寄与したと認識。土地基盤の整備や農村環境の整備が今後とも重要。
品目横断的経営安定化対策は、明らかに失敗。豪州とのFTA交渉でも明らかになりつつある北海道の影響は、2万1千戸の離農と1兆3千億円の経済損失であり、拓銀の破綻を上回る経済的打撃だ。本格的な農政改革の完成をめざすべきと考えるが見解は。
品目横断的経営安定化対策は、農業の構造改革の加速化とともにWTOにおける国際規律の強化にも対応する施策であり、的確な取組みを進め体質の強い農業経営を育成することが重要。3期振興推進計画に基づく多様な農業の展開やブランド化に努め、持続的な発展をめざし全力で取組む。
害虫ジャガイモシストの発生地域は拡大の一途であり、止まる兆しが見えない。発生面積と種子馬鈴薯生産面積、生産農家の推移・検査落ち面積の現状は。現行法では発生圃場での種子生産は半永久的に禁止され、適切な種子供給ができなくなる可能性があるが、更新用種子の弾力的運用や諸外国の対応を参考にした法運用の改正を行なうべきと考えるが所見は。
発生面積は17年度で500ha、種子馬鈴薯は1500戸・5500haの作付けのうち不合格が46haでほとんどがジャガイモシストセンチュウの発生が原因。更新用種子の弾力的対応等は難しいと考えており、今後も蔓延防止対策に積極的に取組む。
(2)知床の自然環境保全について
世界自然遺産に登録され1年が経過し観光客等の増加の動きも出てきた。知事の感想と今後の課題、対応等について所見は。
来訪者が増え、周辺地域振興にも大きく寄与している。地元での寄付条例の制定や民間基金の設立、企業等の寄付を活用した生態調査や環境整備など、官民一体の取組みが展開しており喜ばしい。今後も自然の厳格な保全と適正な利用を図りながら広域的振興を図ることが重要であり、知床ルールの確立など保全・利用対策の推進に努める。
IUCNから勧告のあった海域管理計画策定への基礎調査状況と、地元関係団体との調整状況は。
海洋環境調査や生息状況調査等を基礎資料として海域ワーキングにて検討しており、結果を踏まえ漁業者団体等との合意のもとに計画の策定を進める。
国は知床半島エゾシカ保護管理計画を策定し19年度から取組むとしているが、どのような対策を講じようとしているのか。道としての対応は。
対象地域を4地区に区分し、植生の防御や個体数調整を組み合わせて被害を回避する対策を実施する。道は国の計画を地域計画として位置づけ、今後も国や地元との連携を一層強め、エゾシカ対策に積極的に取組む。
魚道の設置については、周辺環境に配慮した視点で改良すべきだ。
本来の機能低下を招かないことや渓流環境保全に配慮した工法等を検討するとともに、魚類遡上期や希少鳥類の繁殖期を避ける等の配慮のもと、実施する。
知事は2年以内の知床ルール策定を宣言したが、半島先端部の利用調整地区の指定とエコツーリズムに関する戦略の開発についての進捗状況は。
土地所有者である林野庁と協議を重ねており、知床五湖地域についても検討を進めることになっている。エコツーリズムは今年度、推進計画に基づいた実施計画やガイドラインの策定に取組んでいる。
知床ルールで利用と保全を決めても、法的強制力がなければ曖昧となる懸念がある。
地域連絡会議にて地域管理計画を策定するとともに、厳格な保全と適切な利用に向けた取組みの協議を進めている。
(3)地震・火山防災対策について
北方四島の大規模災害に関する専門家交流について、昨年11月に日露首脳会談にて合意したが、道としても共同研究に協力・支援すべきではないか。
この地域の地震・火山メカニズムが明らかになることは、本道の防災対策を進める上で極めて有意義。道の研究機関が有するデータの提供や研究職員の派遣など、積極的に協力したい。
(4)道河川の洪水被害対策について
10月に網走地方を洪水が襲い甚大な被害を受けたが、これまでの災害復旧事業等の対応状況と、今後の予定は。原形復旧ではなく、現地状況に即した抜本対策が必要だ。
決壊箇所の応急対策のほか、流下能力確保策を緊急的に実施しており、年内の災害査定を受けた後、速やかな復旧に取組む。今後も早急な復旧対策や抜本的対応に、地元自治体や関係機関等と連携し、全力で取組む。
(5)カラマツの利用促進について
牛舎など農畜産物施設における道産カラマツの利用促進に向けた取組状況は。
堆肥舎整備への利用を重点的に取り組み、これまで300棟の木製堆肥舎を整備。保温性や吸湿性、耐久性に優れ高い評価があることから、今後も一層の利用拡大を図る。

<再質問>
(1)農政改革の評価について
日本での稲作経営の最適規模は15haといわれ、そこで平均生産費は最低となる。農産物価格で外国との競争を考える規模拡大一辺倒では、北海道農業を守れないという問題をどう考えるのか。攻めの農業をいうが、攻めるためには強い農業に改革しなければならないが、見解は。
本道農業の持続的発展のためにはコスト低減を一層進め、消費者に信頼される高品質な農産物づくりを推進することが強い北海道農業の確立につながると考える。
EUには農業の国際競争力が弱い国があるが、市場開放をして農業が成り立っているのはなぜか。各国を例に国内政策の転換を図るべきと考えるが、所見は。
国はEUでの政策も参考に品目横断的経営安定対策を導入するとしており、今後、国内外の情勢を見ながら、国において適切に対応することが重要。

<指摘>
(1)農政改革の評価について
北海道の農業農村振興条例が食料・農業・農村基本法の改正に影響を与え、BSE全頭検査等が実施になるなど、北海道は政策面でも国内農業を牽引する大きな役割を果たしてきた。しかし知事就任後は国の枠を超える考えは示さず、その結果が今のFTAの北海道に与える影響だ。知事は北海道農業を守る気がないと言わざるを得ない。
(2)知床世界自然遺産の対応について
来年から5年かけてエゾシカ対策を行なうが、植生を考えると時間のかけ過ぎだ。
知床ルールづくりがなかなか進んでいない。遅れている課題解決のため今こそリーダシップを発揮し、積極的に取組むことが知事の責務だ。

UP
木村峰行(旭川市)

(1)知事公約の評価について
経済・雇用対策に重点をおいた施策を展開するとしたが、道内鉱工業生産指数は12年度を100とし17年度は90.9、全世帯消費支出は17年度平均月額26万342円、14年度に比べ5.7ポイントの減少だ。この事実をどう評価しているのか。
個人消費や公共投資関連産業が低下しているが、鉄鋼や輸送用機械工業生産が高水準で推移、民間設備投資の増加等から、本道経済は総じて改善してきていると考える。
道内有効求人倍率は17年度で0.53倍と全国0.94倍の半分。全国は14年度有効求人倍率0.54倍から0.40ポイントも回復している。道内雇用の現状についての認識は。
本道は全国的に景気回復を牽引してきた製造業のウェイトが低いという産業構造の問題もあり、改善状況に差があるものの、基本的には回復基調にある。
市町村立病院は、医師確保の極めて困難な状況に加え、経営の継続についても悲鳴を上げている。地域医療の現状に対する所見は。
要請に基づく医師派遣の調整や自治医科大卒業医師の活用、ドクターバンク事業により地域の医師確保に努めるとともに、医育大学の地域枠や奨学金制度の創設、自治体病院等の広域化の検討等で、地域医療の確保に努める。
高校の再編整備に関し住民・保護者から存続要請が道・道教委に寄せられている。文化やスポーツ等特色ある高校として地域で評価されている現状をどう捉えているのか。
道教委において地元市町村や教育関係団体等の意見を十分聞きながら、都市部と郡部の違いや地域実情を考慮し、学習環境の充実が図れるよう進めることが大切と考える。
(2)自治のかたちについて
支庁再編にあたっては地域住民はもとより、反対の声が大きい市町村長に応えるべきであり、道の方針を変更する必要がある。
懸念や不安があることは承知するが、支庁所管区域の再編に併せ新たな支庁と地域とが一体となって地域政策を展開できるよう努めるとともに、行政サービスセンターの設置で道の役割を果たす。成案取りまとめの際も更に意見を十分聞き、検討を進める。
道州制特区に関する札幌公聴会にて、前首長が、道の姿勢は仕事は下ろすが金は下ろさない、国のやり方そのものとの発言したが知事の所見は。約2千項目の市町村への権限委譲が一向に進まないが、どこに問題があると考えるのか。
移譲にあたっては、道において実際に要していた経費をもとに算定・交付しており、試算額を示しながら協議し市町村から同意を得たものを移譲している。権限委譲を進める上で市町村の体制整備に積極的な協力を行い、意義や効果を理解いただくよう一層の情報提供に取組む。
(3)夕張への支援について
夕張市は国の石炭政策の変更に伴い、観光産業に活路を見出そうとする計画を立て、国や道の了解のもと事業を行なった。発生した巨額の債務を粉飾し続けた市の責任が重いのは勿論だが、至った責任は地元だけではないはずだ。財政破綻の責任は誰にあるとの考えか。
抜本的な財政健全化の取組みがなされないまま、長年にわたり不適正な財務処理を行い、膨大な債務を累積してきたことから、法に基づく財政再建を行なうこととなった。
知事は、頑張る人に希望を、住み続けたいと思ってもらえる北海道づくりを目指すと出馬表明したが、財政再建に関する基本的枠組み案にどのような評価をしているのか。
市民や職員に厳しい内容だが、それを前提としても再建に20年程となることが見込まれており、十分な説明で理解と協力を得るとともに、地域経済や生活への影響を最小限に止めながら財政再建を円滑に進めることが必要。
今回の枠組み案で本当に夕張が再生できると考えているのか。枠組み案の実行の可能性についての認識は。
道として雇用対策や生活基盤の確保、経済活動や地域医療面で必要な支援策を講じるなど、積極的に助言・協力を行なう。
石炭の歴史村観光が破産に追い込まれたが、第三セクターが運営する施設の現状と今後の見通しは。
石炭の歴史村が運営していた施設のほとんどが市の所有であり、既に休止。夕張観光開発が運営のホテルは営業しており、スキー場もオープンに向け準備している。市は所有する施設の購入や指定管理者の募集を開始しており、結果を踏まえ、来年度からの運営等について判断されると考える。
石炭の歴史村観光の離職者の今後の雇用の見通しは。個々の実情に即した実効ある対応が求められるが、どのように対応するのか。
希望者は冬季間スキー場運営の夕張観光開発に再就職できると聞く。道は空知支庁に雇用労働相談室を設置し雇用危機対応プログラムを発動、ハローワークと連携し離職者の就職促進に向け取組む。
今後、倒産や解雇による離職者の増加が懸念されるが、厚生労働大臣による雇用維持等地域の指定を一日も早く受けられるよう国に働きかけるべきだ。指定地域についても夕張市だけでよいかとの問題があるが、雇用維持等地域指定についての見解は。
解雇された従業員の雇入れ等を行なう企業が、助成措置を活用しやすくなるよう早期指定について国に要請したい。
(4)省エネルギー・新エネルギーの推進について
北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例制定後、取組んできた施策とその成果は。
太陽光発電設備や雪氷を活用した冷房システムの導入、バイオマス等の研究開発を進めているほか、民間企業の実証実験や住宅用太陽光発電設備への支援に取組んできた。依然としてCO2排出量が高い基準にあり、一層の取り組みが必要と考えている。
北海道は自然エネルギーの宝庫といわれているが十分活かされているとは言えない。バイオマスをはじめとする潜在力を最大限活かすための新たな取組みが必要だ。
本道は環境にやさしいエネルギー資源が豊富にあり、利用促進が化石燃料の消費抑制や地球温暖化防止の観点から重要。今後も民間企業や地域の取組みを支援する。
新エネルギーの開発・導入による北海道の産業活性化を図るべきだ。
国と連携し技術開発や施設整備の支援等で、新エネルギー関連産業の育成を図り、本道産業の活性化につなげる。

<再質問>
(1)知事公約の評価について
雇用回復に向けた道の取組み・政策の実効が上がっておらず、若年層の完全失業率、有効求人倍率の現状からも明らかだ。非正規雇用は平成6年が22.8%、11年で27.5%、15年では34.6%と拡大に一途。更に厳しい現状にあるのは障がい者だが、障がい者雇用についての認識と、道のこれまでの取組み、今後に向けた決意を伺う。
優良企業の表彰や障害者雇用支援センターへの助成、職業訓練・職場適応訓練等を実施し、民間企業等への雇用促進を図っている。今後もこれら取組みに加え、福祉的就労から一般就労の移行に向け、障害者就業・生活支援センターの指定拡大や経済界等への求人要請等で、雇用の促進に取組む。
自治体病院等広域化検討委員会では19年度に案を作成し地域での検討を始めるとのことだが、医師不足や医療従事者不足は待ったなしだ。道町村会が国に要望した施設基準の緩和、夜間看護要員と医師標準数の見直し、医師・医療従事者の確保についての所見は。
道としても施設基準の緩和や医師標準数の特例措置を求めており、今後とも地域医療の確保に努める。
(2)支庁再編について
中空知の広域連合や後志の広域連合立ち上げに向けた動きなど、様々な取組み・多様な基盤的自治のかたちが進んでいるが、これらを支庁制度改革に反映するのか。支庁のあり方について検討を重ねているともいうが、内容がわからないとの声がある。地域のためというのであれば議論経過の共有化はもとより、地域住民・市町村の参画で検討すべきであり、改めて道の方針の再考を求める。
広域行政は市町村への事務・権限移譲の受け皿になると考えており、新しい支庁が柔軟に対応できるよう検討する。支庁制度改革は意見把握に努めてきたが、今後も趣旨を十分理解もらえるよう更に努力する。
(3)夕張への支援について
地域経済再生には新たな経済的取組みが必要であり、道として具体策を示すべきだ。
庁内一体となって財政再建に伴う幅広い産業振興施策を検討しており、夕張市はもとより地元関係者とも連携しながら取組む。
夕張市民、特に高齢者や障がい者をはじめとした生活弱者の行政サービス確保を、道として支援すべきだ。
高齢者の方々などに対する行政サービスの確保にも配慮しながら、積極的に夕張市に対する協力を行なう。

<指摘>
(1)知事公約の評価について
経済・雇用について、芽が出てきたと自ら評価するが、中小企業者の状況、雇用劣化の拡大、障害者自立支援法により放り出される障がい者が一番先に職を無くしている現状、就職担当の高校教師の苦悩など、とても芽が出てきている実態にない。社会的弱者や地域を、政策の谷間に落とすことのないよう指摘する。
自治体病院・診療所の存続ができなければ、道民の健康が脅かせる深刻な事態だ。市町村長任せではなく、知事が先頭に立って地域医療の確保に責任を持つべきだ。
(2)自治のかたちについて
市町村の財政や行政の有り様が十分煮詰まっていない中での支庁再編は、地域の声を無視したものであり、再考すべきだ。
(3)夕張への支援について
これまでの背景・経緯を踏まえれば、夕張市と同時に、道・国の責任は免れないものであり、道は、その責務を果たすべきだ。
市民生活に障害が出ることを避けるため、国・道の一体的取組み、道の指導力を求める。
離職者の再就職のため、道が全力投球で解決すべきだ。

UP
星野高志(札幌市東区)

(1)北海道循環資源利用促進税について
補助事業審査委員会が補助対象の選定を行い、結果を踏まえて、道が最終判断をすると考えるが、何を基準として最終判断したのか。委員会と道の責任の範囲は。
委員会は専門的見地から審査を行い、道は認定が適当とされた事業が循環型社会の形成に資する事業として適合と判断し、予算の範囲内で最終的に交付決定している。
選考基準に僅か満たないものでも、機械的に足切りすべきではない。足らざるものをサポートし、目的に叶うよう配分・配慮するのが道の役割と思うが、痕跡は見られない。
委員会は技術・環境・経営の観点から総合的に審査している。道としては今後、アドバイザー制度の創設や総合支援センター等との連携で、きめ細かい支援を行なう。
補助を希望する事業者の募集のあり方、審査のあり方、最終判断のあり方など、それぞれ課題を残した。来年に向けて改善すべきではないか。
事業の取扱について、必要に応じ、改善するなど施策の一層の充実化に努めたい。
(2)北海道ものづくり産業振興について
高い技術・技能を継承しながら営業を続けている企業人による、工業製品の道内生産について、実態をどう把握し、評価しているのか。
工業統計調査の分析やアンケート、企業訪問等により実態把握に努めている。独自の技術やノウハウを活用し、本州大手企業や海外市場で取引・地域を確立している地場企業もある。こうした企業が多く生まれることが重要と考える。
道内には、高い技術水準をもつ町工場が多く存在する。これらをデータベースにするなど、本州の主要メーカーに対するサポートを道はおこなうべきだ。
高い技術力を有し、意欲的な経営を展開しようとする企業の市場開拓を促進するため、加工技術などを紹介する「基盤技術企業ガイドマップ」の作成を進める。
(3)夕張市立総合病院について
地域における医療体制の今後について、深刻な問題を抱えている中、瀬棚診療所に勤務経験がある医師が、地域医療に貢献したいとの意思があると聞く。これまで当該医師とどのような話をしてきたのか。
打ち合わせは夕張市が行なっており、12月下旬から市立病院で診療に従事し、19年度以降も何らかの形で貢献したいとの意向である旨、報告を受けている。
(4)知事の許認可権について
医療法人設立に関する道の「手引き」では、開業実績が条件とされている。これでは市立夕張病院を引き継ぐために、法人設立を申請した村上医師には認可がおりない。要件の弾力的運用をおこない、設立を認めるべきでは。
道としては、相談があった際には、住民の医療が確保されるよう、開設の手引きに記載している経営実績の取扱について、弾力的な運用を図りたい。
道がもつ許認可権の中で、経験や実績を条件にしたものは多いが、形骸化しているものもある。この際、そのすべてを調査し、改めるべきものは改める必要がある。
必要な見直しを行うべきと考えており、経験や実績を要件とする基準の設定状況について実態調査を行い、見直しが必要なものについては、国への要望を含め適切に対応する。

<再質問>
(1)北海道循環資源利用促進税について
リサイクル産業に意欲があり、全体として補助水準には達しているが、もう一歩という事業者をどう救い育てていくのか、具体的支援策を示されたい。
来年度においては、循環税を活用したメニューのひとつとして、環境対策、技術力向上などのため、新たに創設を検討しているアドバイザー制度を活用したい。
(2)北海道ものづくり産業振興について
私は海外視察でフィンランドを訪れた。携帯電話のノキアに象徴されるよう、同国が展開しているフィンランドプロジェクト(フィンプロ)は、効果的な対策だ。道も参考にすべき。
フィンプロは、企業の海外進出を促進するための情報収集・提供、相談や販売促進支援、資金援助などを行っており、今後、その取り組みも参考にして、本道ものづくり産業の道外との取り引き拡大を促進していく。
(3)知事の許認可権について
この際、医療法人の「手引き」そのものを改正し、道独自の「開業実績」という要件を削除すべきだ。
議員ご指摘の趣旨などを踏まえ、年度内に開催する審議会において審議いただき、検討する。

UP


.委員会における主な質疑

(1) 常任委員会・特別委員会(06年11月〜12月)
総務委員会では、沢岡信広(北広島市)議員が11月7日に元北海道警察職員への損害賠償請求について、小谷毎彦(北見市)議員が12月13日に医療機器の入札における談合情報について質疑。
総合企画委員会では、高橋由紀雄(空知支庁)議員が11月15日に夕張市財政再建の基本的枠組み案について質疑。
環境生活委員会では、平出陽子(函館市)議員が11月7日にDV加害者対策について、12月13日に一時保護所を退所した母子への支援について質疑。
保健福祉委員会では、林大記(札幌市南区)議員が12月13日に精神障害者の地域生活支援体制について質疑。
経済委員会では、池田隆一(小樽市)議員が11月7日に北海道ものづくり産業振興指針(仮称)素案について、12月13日に季節労働者対策について、木村峰行(旭川市)議員が11月7日に、工業用水道事業経営健全化計画変更(案)について質疑。
農政委員会では、北準一(空知支庁)議員が11月7日に農地・水・環境保全向上対策について、12月13日に野菜経営安定対策について質疑。
文教委員会では、高橋亨(函館市)議員が11月7日に滝川市における小学生の自殺事件について及び高等学校における必履修教科・科目の取り扱いについて、12月6日に滝川市における小学生の自殺事件について、勝部賢志(江別市)議員が11月7日に高等学校における必履修教科・科目の取り扱いについて、蝦名清悦(札幌市北区)議員が11月7日に北海道人事委員会裁決について、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が12月6日に滝川市における小学生の自殺事件について、12月13日に私立高校に通学する生徒等に対する就学支援について及び障害のある子供たちに対する教育について質疑。
産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、北準一(空知支庁)議員が11月8日に旧産炭地問題ついて、11月28日に空知産炭地域総合発展基金の運用ついて、12月13日に産炭地域総合発展基金の運用ついて、星野高志(札幌市東区)議員が11月8日に平成18年度北海道省エネルギー・新エネルギー大賞について、12月13日に新エネルギーの導入目標の見直しなどについて質疑。
道州制問題等調査特別委員会では、滝口信喜(室蘭市)議員が11月28日に道州制に向けた道から市町村への事務・権限の移譲について質疑。
青少年・少子対策特別委員会では、平出陽子(函館市)議員が11月28日に道立中央乳児院の見直しについて、12月13日に道立中央乳児院の見直し方針(案)について質疑。
(2)平成17年度決算特別委員会
17年度の道決算案を審査する決算特別委員会が11月9日〜15日に開かれ、企業会計審査で佐野法充(札幌市豊平区)議員が石狩工水事業と公営企業のあり方について、鈴木泰行(札幌市白石区)議員が企業局のあり方について、公営企業管理者について、林大記(札幌市南区)議員が道立病院のあり方について、第1分科会で北準一(空知支庁)議員が医療問題について、関与団体等について、西田昭紘(釧路市)議員が児童虐待について、佐野議員が道州制について、北海道開発法について、地方財政と公共事業政策について、入札制度と事業委託のあり方について、地方財政問題について、天下り問題と事業委託のあり方について、鈴木議員が北方領土問題と自治体外交について、第2分科会(岡田俊之委員長)で勝部賢志(江別市)議員が道内建設業の振興について、地域経済の活性化について、いじめ対策について、高校の必修科目の履修漏れについて、教職員の研修事業について、須田靖子(札幌市手稲区)議員が温室効果ガス削減に向けた道産木材の利用促進について、林議員が外国人研修生・実習生の実態について質疑した。
 総括質疑では、佐野議員、林議員、鈴木議員が知事の所見を質した。
 <附帯意見>
1. 道政史上初めて4億2800万円の赤字決算となったことは、遺憾である。道税や貸付金、使用料、手数料の未納額が約288億円、不納欠損額が約24億円に上っており、経済雇用対策を図るとともに、収納対策に全庁挙げて全力で取り組むべきである。また、行財政改革の推進に当たっては、スピード感を持って取り組むこと。
1. 道立病院の経営は、累積欠損金が年々増加し、593億円を超える結果となった。へき地における広域医療や精神、結核医療といった不採算部門を担っているとはいえ、入院、外来患者数は年々減少しており、予算と決算額にも大きな乖離があることから、医師の確保など十分な医療体制の整備を図りながら、さらなる収益の確保に努めるべきである。また、病床規模の適正化や個人医業未収金の解消、不要資産の処分などに早急に 取り組むべきである。なお、今後の運営形態などについては、北海道病院事業に関する次期計画検討協議会や地元の意見などを踏まえ、「次期計画」の策定にあわせ検討すべきである。
1. 道営電気事業については、「道営電気事業のあり方検討委員会」の意見等を踏まえ、民間譲渡の可能性を含め、そのあり方について早期に検討すること。
1. 工業用水道事業については、未稼働資産の整理によって経営健全化に向けて一歩前進できる見通しが出てきたが、石狩湾新港地域工業用水道事業については、依然として契約水量と給水能力日量の差が大きいことから、関係機関と連携し、経営の改善に全力を挙げて取り組むべきである。
(3) 第4回定例会予算特別委員会
第4回定例会予算特別委員会(佐野法充委員長)は、12月8日〜12日に開かれ、第1分科会(北準一委員長)で池田隆一(小樽市)議員が道立中央乳児院について、アスベスト対策について、平出陽子(函館市)議員が一時保護所を退所した母子への継続支援について、三津丈夫(帯広市)議員が夕張・産炭地域問題について、知事公約について、タウンミーティングについて、入札制度について、人事委員会制度について、沢岡信広(北広島市)議員が知事の公務公表と出張のあり方について、倶知安署等の公金横領事件に対する監査と損害賠償請求について、国と道の関係について、行政委員会所管事項に対する知事の政治的スタンスについて、米軍戦闘機訓練と千歳への訓練移転について、道財政の運営について、道職員の給与削減問題について、第2分科会で木村峰行(旭川市)議員が道営住宅に関する指定管理者制度について、FTA交渉について、担い手対策について、夕張市の財政再建に伴う雇用対策について、工業用水道の経営健全化計画について、小谷毎彦(北見市)議員が低気圧災害対策について、季節労働者対策について、ジョブカフェについて、教育施設における指定管理者制度について、勝部賢志(江別市)議員が米の需給状況と価格等について、三井あき子(旭川市)議員がいじめ対策について質疑した。
 総括質疑では、木村議員がFTA交渉、夕張・産炭地域対策、工業用水道事業の健全化について、三津議員が入札制度について、沢岡議員が知事の政治姿勢、道財政問題、米軍戦闘機訓練について知事に質した。
 <附帯意見>
1. 日本とオーストラリアのFTA交渉については、仮に、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの関税が撤廃されると、本道の農業はもとより地域経済にも深刻な打撃を与えることから、これら重要品目を例外とするよう、道内での機運の醸成を図るとともに、国に強力に働きかけるべきである。
1. 農地・水・環境保全向上対策については、農業の基盤を維持する上で不可欠なものであり、事業の円滑な実施に向けて、国に財源措置を求めるとともに、全道的な推進体制がとれるようにすべきである。
1. 夕張市の財政再建については、住民が安心して住み続けられるよう、雇用対策や地域活性化策など、できる限りの支援策を講ずるべきである。
1. 昨年9月、米軍三沢基地所属のF16戦闘機の飛行訓練を起因とする人身事故が、江差町で発生した。しかし、これまで、この事実が公表されなかったことは、極めて遺憾である。従って、千歳への米軍戦闘機訓練の移転が計画されている今、道民の生命と財産を守る視点からも、今後速やかに、米軍戦闘機に係る事故等の情報を積極的に公表すべきである。
1. 道の危機的財政状況に鑑み、工業用水道事業の経営健全化計画は、一般会計に多額の支援を求めていることから、道民や受益者の理解を得ながら進めるべきである。一方、道営競馬事業は、報償費削減や軽種馬振興公社業務の見直し、民間委託の推進などにより、収支均衡に向けた財務構造への大胆な転換を急ぐべきである。
1. 道教委は、滝川市のいじめ問題を教訓として、未然防止に努めるとともに、いじめの実態調査結果に機敏に対応し、家庭や地域と協力しながら取り組むよう、市町村教育委員会や学校に対して、適切な指導を図るべきである。また、高等学校における必履修科目の未履修問題については、学力向上を求めながら授業時数を確保できずに苦悩する学校の意見を反映した抜本的な改善策が図られるよう、国に対し強く働きかけるべきである。

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.当面する課題と会派の対応

(1) 高橋道政の検証について

高橋知事は、4定開会前日の11月28日に、記者会見で再選出馬を表明した。開会前日という慌ただしい日程で、まるで安部総理におもねるかのような「頑張る人に希望を」というキャッチコピーを示しただけの空虚な会見だった。

会派は、論議を進めてきた「高橋道政の検証」を同日に公表、これに沿った質疑を展開した。

小泉・安部政権、それに同調してきた高橋道政によって、格差がとめどなく広がってきたにもかかわらず、苦しむ道民や地域に、頑張れば報いてやるというのは、道政のトップリーダーが言うべき言葉ではない。最近の知事答弁では、自助・共助は語っても、公助にふれようとはしない。

効率優先、市場万能主義の小泉政権、安部政権流の構造改革路線の影響によって、北海道は、全国的にみても最も厳しくかつ深刻な状況に追い込まれている。道や市町村の財政は極度に悪化し、まさに出口の見えない閉塞感に覆われた状況だ。にもかかわらず、「新生北海道の実現が着実に進んでいる」との高橋知事の認識は、道民の実感と著しく食い違っている。


知事が、公約、その後の道政課題において緊急最優先課題とした雇用対策と中小企業対策は、全国的には好転しているとされる経済・雇用情勢は、本道では厳しいままに推移し、好転の兆しは見られていない。


「道財政立て直しプラン」は、これからの道庁が推進すべき公共サービス・自治体経営のあり方やその展望も示さぬまま、「なりふりかまわず」の削減一辺倒のものであり、道民生活や市町村行政に及ぼす影響が、今後も拡大、深化していくことが懸念されている。

地方財政や地方分権、道民生活が直面する課題については、道民や市町村の声をまとめ上げ、これを背にして「国と対峙する」という対応をとることはなく、「国とのパイプ」や「国との折り合い」を重視した、中央依存・国追随型の対応に終始しているのが、高橋知事の道政運営の姿だ。

(2) 地方財政問題について
国の予算編成の動きの中で、国の財政再建の矛先が、ますます社会的弱者や条件不利地に向けられ、安部政権になって地方切り捨てというべき動きに拍車がかかっている。高橋道政は、こうした国の姿勢に対して、真っ向から物申すことを避けている。そればかりか、道の財政再建を、道民や市町村に転嫁する、国と歩調を合わせたかの動きを取っている。

国より地方の借金が少ないことのみを根拠とする“地方富裕論”に基づいて地方交付税自体を削減する動きが加速している。加えて、総務省自らが新型交付税導入や、“頑張る地方応援プログラム”に基づく交付税の検討等によって、条件不利地を支える仕組み、財源の足下を掘り崩そうとしている。

しかし、知事は、こうした動きへの質問について「詳細は判明していない」との答弁を重ね、対処策は「国に要望していく」との答弁に終始した。さらに、「頑張る交付税」についての質疑では、是認姿勢の答弁だった。新型交付税という新たな枠組みに、条件不利の克服をどう認めさせるかで地方側は四苦八苦している。それ以上にあいまいな「頑張る」という言葉で、国が一方的に自治体を差別化しようということは、分権の本旨にも交付税の本旨にも反するものだと言う認識がまったく欠落している。

地方財政計画を毎年、戦々恐々として待つということが、今の国と地方の関係の実態だ。こうした上下主従の関係を打破するために、道は国と対峙していくべきだ。

道民や市町村に多大な痛みを強いながら「財政立て直しプラン」を進めているのに、財政状況はさらに悪化している。知事選挙を控えて、骨格予算編成となる新年度道予算も、まさに骨を削る作業が強いられている。一律削減のみで、道民や市町村に痛みを振りまき、我慢を求めるばかりの高橋流財政再建は、セーフティネット抜きでの格差拡大を加速させるものだ。

経費削減のみが目的のような指定管理者、民間委託、市場化テストで、道の施設や行政サービスや切り売りし、最も恵まれない立場の子どもたちの施設である道立中央乳児院の民間移譲の強行が提案された。農地・水・環境保全対策に見られるような地方自治体の負担を伴う施策について財源の制約で道が対応しきれないおそれも生じている。

障害者自立支援法本格実施に伴う独自支援措置も否定、季節労働者対策の切り下げに対する対策も明らかにされず、答弁は、「国に要望して参る」で終始、知事、道の主体性はまったく示されなかった。地域で暮らし続けるために最優先で確保されねばならない医療や教育が、国や道の施策によって真っ先に崩壊しようとしている。
(3) 地方分権について
地方分権の課題も、相も変わらず、上下主従を脱却できていない。知事が、数少ない手柄とする、道州制特区推進法の論議でも、道提案の実現性については、「しっかり主張していく」との答弁に止まった。法を無理矢理に制定しながら、政府は「道州制のビジョンはこれから」、知事は「本気度が試される」と語ることに、その内実があらわれている。道や市町村に行政サービスのリストラを強いる手段と化すことがないよう注視していかねばならない。

知事が進める支庁制度改革に、自民党会派からも異論が出された。会派が指摘を重ねてきたように、道民への説明を怠り、地域意向をきちんと受け止めずに、進めるからこうしたことがおきる。市町村合併にしても、道州制にしても道民との協働、道民意向の把握を再構築しなければ、道や道民や市町村と、ますます疎遠な存在になっていくことが懸念されている。
(4) 夕張市・空知旧産炭地域の財政問題について
夕張市、空知旧産炭地域の財政問題をめぐっては、国が、当該自治体及び北海道の課題と位置づけ、地域を切り捨てる冷酷な姿勢を、ますます露わにしている。

その根拠になっているには、産炭地域発展基金に対する誓約書。政権交代時の急激な動きは、道や5市1町の自発的なものであったはずがない。釧路地域への対応が事後了解であったことが、それを証明している。それにも関わらず、国に従うばかりで、地域を大事にしない知事の姿勢が端的に表れた。知事は、閉会前日の13日になって、やっと夕張市に入ったが、住民の要請になんら具体的な対応策を示さず、単なるパフォーマンスに終わった。地域機能の維持、そして地域振興に向け、自治体や住民と一緒に取り組む気があるのかの道の姿勢が問われている。
(5) 新年度予算編成について

会派は、民主党北海道(鉢呂吉雄代表)、民主党北海道選出国会議員会(峰崎直樹会長)と共同で2007年予算編成等に向けた中央省庁への要望・提言活動を11月21日に実施した。要望事項は以下の通り。

<総務省>

1.地方財政について

 国と地方の税財政改革は、地方分権推進、地方財政確立、地域格差是正の観点で進められるべきものだが、この間の推移は、国の歳出削減の観点からの地方財政圧縮が続いている。このため、財政運営が窮地に追い込まれる自治体が相次ぎ、地方自治や公共サービスの基盤を揺るがしかねない状況となっている。
 地方交付税制度が本来有する財源保障機能・財政調整機能を維持・強化する観点から、法定率引き上げ等の措置こそが講じられるべきなのであり、一方的な削減や法定率引き下げ等は行わないこと。
 また、過去の景気対策や政策減税等、後年度に財源措置するとした国の政策的な事業については、国の責任において交付税を確保すること。
 さらに、自治体財政に大きな影響を生じさせることが懸念される、新型交付税や「頑張る地方応援」等の導入には慎重に対処すること。

2.地方分権について

 地方分権の推進に際しては、国と自治体が対等な関係で協議する場を確保すること。
 市町村合併の検討にあたっては、旧市町村合併法下で進んだ合併事例の検証が、その前提となるべきであり、広域連合・広域連携等多様な自治のあり方を認めること。地域の自主性を損なう拙速、強制的な手法は講じないこと。

3.旧産炭地域財政問題について

 赤字再建団体入りとなった夕張市及び空知旧産炭地域では、地域の存続すらが危ぶまれるような状況に置かれている。特に夕張市においては、医療の確保、冬場を迎えての交通維持等の住民生活基盤の関わる課題に直面している。閉山対策に端を発する膨大な債務を抱えての再建計画策定は難航しているが、国としての支援策の明確化を図ること。

<文部科学省>

1.義務教育費国庫負担について

 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図る上で、重要な役割を果たす制度として、定着・寄与してきた経過を踏まえ、制度の根幹を尊重し、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るための財源の確保拡充を行うこと。

2.私学助成について

 私学教育の重要性や公立・私立間の納付負担格差等の状況に鑑み、私立高等学校等の経常費助成等に対する財源措置の一層の充実強化を行うこと。

3.少人数学級の実現について

 いじめ等、教育現場での事件が相次いでいる。こうした事態を防ぐためにも、教育水準の維持確保を図るためにも、生徒急減期である今こそ、行き届いた教育が可能な少人数学級を実現すること。

<厚生労働省>

1.季節労働者対策について

 北海道では積雪寒冷という特有の気象条件によって、冬季に失業を余儀なくされる季節労働者が、今なお13万5千人を数える。しかし、労働政策審議会においての雇用保険制度に係る論議で、季節労働者の「特例一時金」について、循環型給付を理由にした見直しが検討されている。これが実施されれば多くの季節労働者の生活を、より不安定にするばかりか、地域経済への大きな影響が懸念される。北海道あげて取り組んでいる季節労働者の通年雇用化等の取り組みの進捗にも、計り知れない影響を与えるものであり、「特例一時金」を存続すること。
 併せて、季節労働者の雇用と生活の安定をはかるために、政府所管の公共事業の平準化等の措置を講じ、冬期雇用の拡大、通年雇用化を促進すること。
 また、通年雇用奨励金の拡充等、季節労働の完全解消に向け、通年雇用への移行を可能とするための対策を拡充すること。

2.若年者雇用対策について

 若年者雇用への総合的な対策のために、北海道においては、就職相談やカウンセリングなどを実施する「ジョブカフェ北海道」事業を展開しているが、厳しい雇用状況に鑑み、このサービス提供への支援継続などの対策を行うこと。

3.医療対策について

 へき地など特定地域、小児科・産科など特定診療科における医師不足は、極めて深刻である。また、看護士、薬剤師等の医療スタッフの偏在・不足も、診療報酬改定等による地方から都市圏への異動もあって一段と加速されていることから、養成・確保のための抜本的対策を講じること。
 後期高齢者医療制度については、都道府県単位での市町村広域連合と言う制度自体の持続可能性に疑問が持たれている。財政措置を含め、安定運営のための対処を早急に行うこと。
 また、北海道においては、積雪・寒冷・広域などの特色から、療養病床が多い実情にある。「広域ケア整備指針」策定等にあたっては、必要な医療を提供し、退院後の受け皿を十分確保するなど、要介護者に重大な不利益が及ばないよう配慮すること。

4.障害者自立支援法について

 10月から本格施行された障害者自立支援法によって、障がいのある人たちが、ますます窮地に追い込まれ、障がい者自身、福祉現場からの悲鳴があがっている。法律、制度の抜本的見直しが求められている。
 定率一割負担を凍結し、障がい児者福祉サービスを維持するために必要な支援措置を講じること。障害程度区分認定においては従来のサービス水準が確保できるよう配慮すること。

5.BSE対策について

 国民の食の安全・安心を第一にする観点から、BSEの原因究明に全力をあげるとともに、国内における牛海綿状脳症(BSE)に係る全頭検査体制を継続し、自治体が行う全頭検査への財政措置を継続すること。
 米国産牛肉の輸入に際しては、国内と同様の安全基準、検査体制の確立を米国に求めること。特定危険部位混入などの問題が発生した場合は、直ちに当該国からの輸入を禁止すること。

 <農林水産省>

1.品目横断的経営安定対策、農地・水・環境保全向上対策について

 「食料・農業・農村基本計画」に基づく経営安定対策等の展開にあたっては、わが国における今後の食料自給率向上や安全・安心な食料の安定供給等に大きく寄与する北海道の農業・農村の実情を反映した実効性のある施策を講じること。
 また、19年度から導入される、「農地・水・環境保全向上対策」においては、地域での取り組みを踏まえ、対象地域・要件等での地方の裁量を認めるとともに、厳しい地方の財政事情によって対象絞り込みの動きも出ていることを踏まえ、地方負担への適切な財政措置を講じること。

2.日ロ安全操業について

 「日ソ共同宣言」調印、国交回復して50周年の節目の年となった。しかし、8月には日本漁船が北方四島周辺海域で、ロシア国境警備隊による銃撃を受け、乗組員の人命が失われる事件が発生した。北方領土の一日も早い返還実現が何より求められるが、こうした悲劇を二度と起こさないために、安全操業を確保すること。

3.BSE対策について

 国民の食の安全・安心を第一にする観点から、BSEの原因究明に全力をあげるとともに、国内における牛海綿状脳症(BSE)に係る全頭検査体制を継続し、自治体が行う全頭検査への財政措置を継続すること。
 米国産牛肉の輸入に際しては、国内と同様の安全基準、検査体制の確立を米国に求めること。特定危険部位混入などの問題が発生した場合は、直ちに当該国からの輸入を禁止すること。原産地表示の義務化を実現すること。

<経済産業省>

1.産炭地域対策について

 赤字再建団体入りとなった夕張市及び空知旧産炭地域では、地域の存続すらが危ぶまれるような状況に置かれている。特に夕張市においては、医療の確保、冬場を迎えての交通維持等の住民生活基盤の関わる課題に直面している。閉山対策に端を発する膨大な債務を抱えての再建計画策定は難航しているが、国としての支援策の明確化を図ること。
 旧産炭地においては、18年度限りとされる閉山対策事業、産炭地域振興対策事業等につい